今回は、同人誌の作成の中でも特に「デザイン」に焦点を当てて解説していきます!「同人誌を作ってみたい!」と考えた際に、できるだけ多くの方の目に触れて欲しいと思うのは当然のことです。
どんなに中身が素晴らしい同人誌も、まずは見た目=デザインが悪くては手に取って貰えません。そこで、同人誌のデザインに関わる基礎を皮切に、ジャンルごとのデザインのポイントやデザインを依頼した場合の相場についてご紹介します。
自分で同人誌デザインをしたい方向けにおすすめのサイトもご紹介していますので、これから同人誌をはじめて作る方も時間がなくて困っている方もぜひご覧ください。
目次
同人誌の装丁で売上も変わるくらいにデザインは大事
同人誌を作成するときに、中身さえよければデザインは疎かでもいいと思っている方もいるかもしれません。それは間違いです。
どんなに良い中身が書けていても、中身が想像できないような装丁だと目に止めてすら貰えません。逆に、しっかりと中身が期待できるような装丁であれば、売上は大幅UPの可能性が大と言えます。
特に同人誌の即売会は好きな内容なのがわかって、見やすさが期待できれば売れる可能性は更に上がるかも!折角作った同人誌を多くの方に買ってもらうには、装丁を含めたデザインがとても大事なのは覚えておいてくださいね!
同人誌のデザインのコツとは?
それでは、売上が上がるような手に取って貰えるデザインをするコツとは何があるのでしょうか?ポイントは、見た目から中身が想像できるようにすることです。
意識するだけで変わる簡単なコツを3つご紹介します。
その1:話やキャラの特徴を元に配色を決める
話の内容や、キャラごとに決められたイメージカラーを元にして、全体の配色を決定します。ポイントは、統一感があるほどに綺麗に見えるということ。プロのイラストレーターであれば、奇抜な色の組み合わせをまとまり良く見せる技術もあるかもしれません。
しかし、それは素人には難しいです。そのため、ベースカラーとなる1色と差し色とも呼ばれるアクセントカラーを3色程度で意識してみてください。簡単にまとまりの良いデザインになります。
あとは、内容に合わせるコツとして、ギャグであれば配色をはっきりして暖色を中心にする。シリアスや暗めなら寒色を多めに取り入れるなどすると、表紙だけでイメージが涌きやすくなりますよ♪
その2:イラストを用意する
配色を決めたのを元にして、イラストを用意します。配色を決めるのも同じですが、できれば内容を書き終わってから表紙は描くほうがベスト。そのほうが、内容と表紙の統一感が出せます。
配色を決めていると、背景色も決めやすいです。このときに手抜きの印象になるので、原則として真っ白は避けるのが基本。ベースカラーを基本としたシンプルな色で塗りつぶしたあとに、フリー素材やスタンプを上手に活用すれば時間が無くても大丈夫!凝ったデザインに見せることができます。
その3:裏表にバランスよく収める
同人誌をはじめて作る方の失敗として、表と裏を別々に描いてしまってからフォーマットを見て両面が繋がっているのに気付いて苦労するパターン。そういったことがないよう、表紙のフォーマットはあらかじめ確認しておくと安心です。
イラスト作成のデジタル化も進んでいますので、キャラと背景を別々のレイヤーにして後から配置を考えるのも簡単にできるようになりました。
ただし、書きたい内容が多すぎてごちゃごちゃした印象にならないように注意!メインとサブの人物の書き分けや大きさのバランスには気をつけてください。
同人誌の表紙をデザインするときのポイントとは?
中身を書き終わっていよいよ表紙を手掛けることに。表紙を描き始めようと思ったときにどういうところに気を付けるのかがわかると描きやすいですよね!
そこで、次は実際にデザインをするときにポイントとなるのはどういったところなのかをご説明します。
本の内容とかけ離れ過ぎないように注意する
本の内容と表示のイメージがかけ離れすぎないようにすることもポイントです。同人誌即売会で購入して、家に帰ってワクワクしながら開いたら表紙で期待しているような中身ではなかった…。と、ガッカリされる方もいるかもしれません。
明確な意図がない限り、誤解を避けるためにも内容と表紙は一致させる方が読者にも親切であり、無難な方法と言えます。
主役となる人物は裏表を使ってなるべく大きめに書く
同人誌は、基本的に裏表で1枚になるフォーマットを使うと説明しました。これは、主役を目立たせるチャンスとも言えます。
特にカップリングものなどは、主役となる人物2名を裏表紙も合わせて大きく描くと良いです。描く側としても、裏表紙のデザインを考える手間が少し減りますし、良いことが多い手法なので覚えておいて損はないですよ♪
線入れの段階からデジタルで作成する場合は、画像の大きさを変える前提であらかじめ大きめに作成しておくと、縮小もしやすくバランスが取りやすいのでおすすめ。大きなイラストで人目を引くことを意識しましょう!
タイトルのフォントにも気を遣う
イラストを表紙に配置し終わったあとでも、まだ気は抜けません。同人誌の表表紙に入れるタイトルのフォントや表現にも一工夫あると、より手の込んだ同人誌に見えること請け合いです。
画像編集ソフトでも多数のフォントがありますので、あとは入れ方の問題。縦に入れるのか、横に入れるのか、線を細くするのかなども含めて全体のデザインが決まります。
気を抜かずにタイトルのフォントも含めてバランスを見るようにすると、ワンランク上の同人誌に近づけますよ!
同人誌小説のデザインのポイントとは?
通常の漫画で構成された同人誌は、本人がイラストを描けますが同人誌小説は別。発行主が小説しか書けず、イラストは作成できない場合もあるかもしれません。
次は、そういった独特の悩みがある同人誌小説のデザインのポイントについてご説明していきます。
目につきやすければシンプルなデザインでOK
デザインの良い表紙とは、イラストが上手な表紙もそういうかも知れません。しかし、それだけが答えではなく、あえてシンプルに抑えるデザインの手法もあるのです。タイトルや模様がセンス良く、規則正しく配置されているだけでも良いデザインになり得ます。
通常の同人誌と同様に、手に取りやすい読みたくなるデザインを考えるのが大事。
まずはセンスの良いデザインを理解するところからです。日ごろから評判の良い市販の小説本やエッセイなどの表紙を観察しておく。参考にできるようにするだけでも、大きくデザインが変わりますよ!
イラストが描けないときは無理にイラストを使わなくても問題なし
同人誌小説を発行するサークルさんで特に悩むのが、イラストを用意できないこと。イラストが描けないと致命的と思ってしまうかもしれませんが、購入者側からすると小説のイラストは挿絵と同じイメージの方も多いです。
長編ライトノベルの挿絵の効果は、文字だけだと疲れてしまうので目休めに丁度良く、ビジュアルのイメージも沸きやすいからあると嬉しい程度。あくまで目的は話の中身です。
同人誌小説でも同じことが言えます。納得できる内容を執筆できていれば、イラストが描けなくても悩む必要はありません。
フリーの写真素材を配置するだけでも本格的に
パソコンでも気軽に検索できるフリーの写真素材を表紙に利用するのも良い手です。市販の文芸小説の表紙でも月や、動物、風景などがよく使用されています。
フリー素材を使用するときは、二次創作コンテンツでの利用OKなものを選ぶように注意してくださいね!少し余裕があるなら、加工OKなものを選ぶと色調を変えたり、フィルタを掛けたりするだけでも雰囲気が違う表紙に仕上がります。
小説のタイトルやテーマと合っているものを選ぶと、より中身を想像してもらえるので、購買意欲に繋がりやすくなること間違いなしですよ♪
同人誌のデザインを依頼した相場はどれくらいになる?
同人誌のデザインを自分でするのが不安な方もいるかもしれません。外注で請け負っているところもありますが、実際にどれくらいになるのかも気になるところだと思います。
次は、依頼するときの探し方や費用についてご説明していきます。
依頼するときに掛かる費用の内訳
一般的に、外注でデザインを依頼するときに必要になるのは以下の内容です。
- イラスト依頼した場合のイラスト作成料(キャラクター数や、大きさによって異なることが多い)
- 表紙デザインをお願いしたときの全体のデザイン料(イラスト料除く)
- 表紙で使用するロゴデザインの作成料
大きく言うとこの3つになります。
上記に加え、完全オーダーメイドなのか、サンプルからのアレンジオーダーなのか、冊子の大きさなどによっても大きく変わります。
イラストは描けても全体的に表紙のデザインを仕上げるのに不安があるという方であれば、全体デザインのみを依頼するというのも受け付けているデザイナーさんも多いようです。
受け持ってくれるデザイナーを探すには
デザイナーさんを探すには、主に2つの方法があります。
- インターネットの検索ワードで「同人誌 デザイン 依頼」で検索する
- ココナラ(coconala)など、クラウドソーシングサイトで依頼できる方を探す
インターネットの検索では、HP(ホームページ)を立ち上げているデザイナーさんやデザイン事務所が見つかりやすいです。より細かくサンプルの確認もしやすく、クオリティも安定していると期待できます。
昨今主流になってきたクラウドソーシングサイトでは、カテゴリでまとめて受注者が探せるので、金額やイラストの比較がしやすいです。ただし、個人で請け負っているデザイナーが多く、初心者の方もいるかも。評価などは注意して見る必要があります。
デザインを依頼したときの公表金額の相場
多くのデザイナーさんの出している依頼料の相場としては以下の通りです。
- イラスト作成(全身、1体につき) 5,000~15,000円
- イラスト作成(ミニキャラ、上半身カット) 2,000~5,000円
- 装丁(サンプルアレンジ) 5,000~10,000円
- ロゴデザインのみ 2,000~4,000円
イラスト作成については、フルオーダーでクオリティが高く、人気のある作家さんであれば50,000円という方もいます。経験が少ない方は依頼料も安めの傾向です。
依頼するときの金額を見て高いと思う方もいるかもしれませんが、依頼すると自分で作成するよりも確実に手に取られる確率は上がります。
折角力を入れた中身を見てもらうためにも、デザイナーさんに依頼するというのも選択肢に入れてもいいのではないでしょうか?
同人誌のデザインが簡単・無料で行えるおすすめサイト
自分でデザインをするにしても、なるべく手間は取りたくないですよね!そこで、無料で使えて時間もグンと短縮できるサイトについてご紹介します。
「Canva」無料でセンス良く配置できる画像編集サイト
ひとつ目が注目されているデザイン制作サイトです。有料登録で解禁される機能もあるのですが、無料でも充分活用できます。
「Canva」には、フォーマットを選ぶと適したデザインのサンプルが並んでいます。サンプルの中からイメージに近いものを選び、背景画像を変えたり、ロゴデザインを変えたりも自由自在です。
更に、オリジナルで作成するときにも大活躍!他の画像編集ソフトであれば、配置調整があとから必要になります。それが「Canva」ではあらかじめグリッド(目安線)が表示されるので、デザイン初心者でも簡単に綺麗に配置できるようになります。
Canvaはこちら
時間がないときに頼れる同人誌の表紙テンプレートサイト
インターネットの検索ワードで「同人誌 表紙 無料テンプレート」で検索してみてください。実は、無料配布している表紙テンプレートサイトも多くあります。
デザインは無料だからといっても、素晴らしいものが並んでいます。入稿ギリギリに中身が仕上がり、表紙作成に時間を掛けられないときなどはとても便利ですので、一度調べてみてください♪
素材の配布元サイトでは、デザイン使用のときのルールが記載されていることも。素材提供元の表示など、定められていることは必ず守って使用してくださいね!
おうちで作る同人誌|Canonはこちら
「O-DAN」複数のフリー写真素材サイトをまとめて検索できる
まとめて著作権フリーの写真画像を探すのにおすすめなのが「O-DAN」です。海外の画像配布サイトに限定はされますが、なんと40サイトものフリー画像を一気に検索できます。
海外サイトなので、画像タイトルは英語ですが、トップページの検索ワードは日本語でも可能です。
画像を探す際にストレスになってくるひとつのサイトで見つからなかったときというのが、「O-DAN」では1クリックでサイトが切り替えられるのでかなりストレスフリーになれます♪
O-DANはこちら
まとめ
今回は、同人誌のデザインのコツや同人誌小説について見てきました。
- 同人誌の売上も変わるくらいに装丁はとても重要な部分である
- デザイン良くするには中身を加味して配色を決めて大きく配置するようにする
- 同人誌小説では目につくデザインを考える必要はあるがイラストを描く必要はなし
- 相場を考えて依頼するも良しだがしないときにも時間短縮の便利サイトがある
デザインを考えると言うと難しく考えてしまいがちかもしれませんが、自分がお客様だとしたときにどういう表紙なら手に取りたいのかを考えるのが一番大事です。
カラーイラストが得意な方は得意なイラストを紙いっぱいにアピールしたほうが目を惹きますよね。でも、イラストが描けなくても中身に愛が詰まっていればいいのではないでしょうか?
好きでやっている活動で、お金にこだわる必要はあまりないと思う人がいても当たり前。ただ、どうせやるなら細部に至るまでこだわったほうが達成感も大きいかも。自分が満足できる1冊の同人誌作りができるようにデザインにもこだわってみませんか?