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同人誌の印刷を徹底解説!初心者向け印刷所も5つご紹介

同人誌の印刷を徹底解説!初心者向け印刷所も5つご紹介

即売会で見かけるような素敵な同人誌を作ってみたいと思い立った時に、どういうポイントに気を付ければ良いのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では初めて同人誌を印刷する方に向けて、原稿作成に必要なツールや印刷会社を選ぶ際に知っておきたいポイント、同人誌印刷の基礎知識等について解説しています。


同人誌印刷について解説!

同人誌印刷について解説!
「自分もこんな本を作ってみたい!」「今まで描いたものを本にして、もっとたくさんの人に読んでもらいたい」そう意気込んだはいいものの、何から手を付ければ良いのか分からずに迷っているという方も多いのではないでしょうか。

特に同人誌の印刷会社は数多くあり、初めて使う時はいろいろと不安や疑問もあるでしょう。この記事では初めて同人誌を作る方向けに、原稿を作るために揃えておきたいもの、印刷会社を選ぶ際のポイント等をご紹介しています。


同人誌とは?

同人誌とは? 同人誌とは『自分で書き、自分でお金を出して印刷した本』を指します。一般的には漫画やアニメ、ゲーム等の二次創作本といったイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

しかし同人誌のジャンルは非常に幅広く、二次創作の中でも漫画、イラスト、小説、評論等に細分化されています。くわえて一次創作と呼ばれるオリジナル創作や、情報系ジャンルで活動している人もたくさんいます。

「こんなお話を書きたい」「情報をもっと発信したい」という創作意欲や熱意がカタチになったものが同人誌だといえるでしょう。


同人誌を作る為に必要なものは?

同人誌を作る為に必要なものは?
同人誌の原稿を作るためには、イラストや漫画、テキストを形にするツールが必要です。ここでは、同人誌を作るために必要なものやそれぞれの特徴についてご紹介しています。


デジタルで作る

デジタルで作る
パソコンやタブレット、スマートフォン等にソフトを入れて原稿を作成する方法です。漫画ならPhotoShop、ClipStudioといったグラフィックソフト、小説ならWordや一太郎といったテキストエディタが必要になります。

特に小説のように文字が主体となる同人誌では、デジタルで原稿作成をする人がほとんどです。道具を揃える費用が高いこと、ソフトの使い方を覚えなくてはいけないのでハードルが高いと感じる方も多いようです。

しかし一度道具を揃えてしまえば、消耗品の補充コストはほとんどありません。描画ミスや下書きをワンクリックで非表示にできるので、作業効率アップも期待できます。


アナログで作る

アナログで作る
原稿用紙やつけペン、スクリーントーン等を用いて原稿を作成する方法です。初期コストはデジタルよりも圧倒的に安いという利点がありますが、すべてが手作業なので時間や労力がかなりかかります。

最近ではデジタルによる原稿作成が主流になっていることもあり、アナログでの入稿を受け付けない印刷会社もあるので注意が必要です。とはいえ紙とペンで気軽に始められるメリットは大きく、下描きやネームだけはアナログで、ペン入れ以降はデジタルという使い分けをしている人もいます。


その他

同人誌の原稿を作るにあたり、広く普及している二つの方法をご紹介してきました。アイデアとやる気次第で、書店でも売られてないようなユニークな本を作れるのも同人誌を作る楽しみのひとつです。

印刷する紙や綴じ方、印字方法等、こだわるポイントは無限大! 自分の理想とする本を作れるのも同人誌の大きな魅力といえるでしょう。


同人誌印刷代の相場は?

同人誌印刷代の相場は?
同人誌の頒布価格は一般的に『印刷代金÷部数+α』という考えに基づいて決められることがほとんどです。一冊あたりの原価を算出して、そこに手間賃や諸経費を加算して切りの良い金額にすると考えればよいでしょう。

つまり頒布価格を決定するには、印刷料金を確定することが先決というわけですね。ここでは印刷同人誌の料金について考えるときにおさえておきたいポイントについてご紹介しています。


納期や装丁によって印刷料金が変わる

印刷料金は同じ仕様でも印刷会社によって大きく異なります。料金の算定基準もそれぞれに異なりますが、一般的には『基本料金+オプションや特殊加工+納期調整』というふうに徐々に料金が加算されていきます。

インパクト抜群の箔押しやニス加工、本文の色替えや特殊紙の使用等、装丁を盛れば盛るほど金額が上がると考えれば良いでしょう。規定の納期より短い日程で印刷できる、特急オプションを設けている印刷会社もあります。

こちらも納期が短ければ短いほど金額が上がるので、自分の作成スケジュールと予算をよく確認しておくようにしたいですね。


「早割」等のキャンペーンを使おう!

装丁を盛った同人誌を作ってみたいけど、予算オーバーは避けたいし一冊あたりの金額が高くなるのも気になる……という場合は、早割を適用している印刷会社を探すのがおすすめです。

早割は通常締め切りより早く入稿すれば、印刷料金を割引してくれるというものです。多くの印刷会社が早割締め切りを設けています。印刷料金の割引だけでなく特殊加工や遊び紙のサービス等、お得な特典がついてくるところも珍しくありません。

予算オーバーでできなかった加工も、早割を利用すれば意外とお手頃価格で作れることがあるのです。早割だけでなく大型イベントに合わせたキャンペーンや、特殊加工キャンペーンを展開している印刷会社も多いのでチェックしてみましょう。


おすすめの同人誌印刷会社の選び方

おすすめの同人誌印刷会社の選び方
作ってみたい同人誌はあるけど、印刷会社がたくさんありすぎてどこに頼めば良いのかわからないと迷ってしまう方も多いものです。ここでは印刷会社を選ぶ際に知っておきたいポイントを4つご紹介しています。


作りたい同人誌の仕様に合わせて選ぶ(装丁等)

印刷会社を選ぶ際にポイントになるのは『同じ仕様で比較する』ということです。印刷会社を選ぶ最初のステップとして、やってみたい仕様や装丁も大まかに決めておくことをおすすめします。

印刷会社にはそれぞれ得意な加工や分野があり、同じ仕様でも会社ごとに金額が大きく異なるケースも珍しくありません。バラバラの条件から選ぶのではなく、作りたい同人誌のイメージをある程度固めたうえで比較すると効率良く印刷会社を選ぶことができますよ。


予算や部数から選ぶ

同人誌を作るうえで切っても切り離せないのが、予算との兼ね合いです。印刷料金は部数を多く刷れば刷るほど、一冊あたりの単価は安くなる傾向にあります。とはいえ、部数を増やせばそれだけ料金は高額になります。

必要な部数、頒布額、印刷料金のバランスを考えるのは、同人誌を作るうえで頭の痛い問題だといえるでしょう。少部数でリーズナブルに同人誌を作りたい場合は、オンデマンド印刷に力を入れている印刷所を選ぶのもひとつの手です。


納期で選ぶ

印刷会社にはそれぞれ作業日数が設定されています。例えば「通常納期は5営業日、早割や特殊加工は+3営業日」というふうに、料金プランや加工によって納期が異なります。

自分の原稿作成スケジュールと相談して、無理のない印刷プランを選ぶことが大切です。原稿に取りかかる前にどこに印刷を依頼するのか決めておいて、締め切り日から逆算してスケジュールを組むとスムーズに進められますよ。

データの入稿方法で選ぶ

原稿の作成方法によって入稿形式が異なります。特にアナログで同人誌の原稿を作っているという方は、必ず事前にアナログ入稿の可否を確認しておく必要があります。

最近の主流はデジタル入稿のため、アナログ原稿を受け付けている印刷会社は減少傾向にあります。アナログ原稿の締め切り日は、デジタル原稿の締め切り日より早く設定されていることもあるので注意が必要です。

一方、デジタル入稿の場合は対応しているデータ形式を確認しておきましょう。
締め切り直前に慣れないデータ変換をすると、思わぬミスを誘発してしまうことも。事前に何度か練習しておくのがベストです。

最近ではClipStudioやSAI等のグラフィックソフトから直接入稿できるシステムも備えている会社も増えているので、より手軽で確実な入稿ができるようになりました。


同人誌印刷方法の選び方

同人誌印刷方法の選び方
同人誌印刷会社のサイトでよく見る、オフセット印刷とオンデマンド印刷。意外と知られていない二つの印刷方法と、選ぶ際のポイントについてご紹介しています。1冊から発注できる印刷会社についてもまとめてみました。


「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」の違い

オフセット印刷とオンデマンド印刷の最も大きな違いは、その印刷方式にあります。商業印刷の主流であるオフセット印刷は、転写用の版を作って転写ローラーに移して用紙に転写するという方式をとっています。

それぞれに版を製作するので初期コストがかかりますが、繊細なトーンやベタの均一感はオフセットならでは。部数が多くなると1部あたりの単価が下がるので、100部以上ならオフセット印刷を選択肢に入れるのもおすすめです。

一方、オンデマンド印刷は高品質レーザープリンタで直接デジタルデータを印刷する方式です。版を必要としないので少部数印刷にも対応可能なのがポイントです。これまではオフセット印刷にくらべてベタにテカリが出る、カラーが安定しないなどオンデマンド特有の欠点もありました。

しかしプリンタや印刷技術の性能がアップしたことで、印刷品質もかなり向上しており、オフセット印刷と並ぶ同人誌印刷の主流になりつつあります。


小ロットでの発注は「オンデマンド印刷」がおすすめ

100部以下の小ロットで同人誌を作るなら、転写用の版が必要ないオンデマンド印刷がおすすめです。

オフセット印刷での少部数発行はかなり割高になりますが、オンデマンド印刷なら1冊単位での発注が可能な印刷会社も数多くあります。お試しで少しだけ印刷してみたい場合にも心強い味方になりますね。


1冊からでも発注可能な印刷会社 5選

1冊からでも発注可能な印刷会社 5選
自分用やプレゼントに凝った装丁の同人誌を1冊だけ作ってみたい。たくさん刷る前に、1冊だけ試し刷りをしてみたい……という時に便利な、1冊から発注可能な印刷会社を調べてみました。


ONEBOOKS

ONEBOOKS
ONEBOOKSの特徴は、何冊刷っても単価が変わらないということです。1冊でも100冊でも単価が変わらないので、ごく少数だけ同人誌を印刷したいという時にぴったりです。文庫カバーや帯にも対応しているので、小説本にも対応できますね。

ONEBOOKS


Pixiv FACTORY

Pixiv FACTORY
1冊単位で製作した本をBoothでそのまま頒布できるので、自宅に在庫を持たなくても良いのが魅力です。表紙フルカラー・本文モノクロのベーシックな仕様と全文フルカラーを選べます。

Pixiv FACTORY


グラフィック

グラフィック
多彩な印刷ラインナップが特徴のグラフィックは、同人ブランドとして「コミグラ」を展開しています。変形サイズでも1部から印刷できるので、ちょっと変わった本を作ってみたいという時におすすめ。

グラフィック


プリントオン

プリントオン
「特殊加工ならプリントオン」という人もいるくらい、加工の種類がとにかく豊富なのが特徴です。マイブックキャンペーンとして、1冊単位での印刷が可能になりました。自分用に豪華装丁の本を作りたい時におすすめです。

プリントオン


STARBOOKS

STARBOOKS
一日ごとに締め切りと料金が変わるシステムを採用しているSTARBOOKSも一冊単位で同人誌を発注できる印刷会社として知られています。早めに入稿できればかなり割引率が高いので、しっかりスケジュールをチェックしておきたいですね。

STARBOOKS


即日で頼める同人誌印刷会社

即日で頼める同人誌印刷会社
同人誌の印刷会社の多くは、印刷予約というシステムを採用しています。これは納品日とおおまかな仕様を決めたうえで、印刷会社指定の方法で予約申し込みをするというものです。

早割や割増プランの印刷には予約必須という会社も多く、計画的な同人誌発行にはまず印刷会社の予約をおさえることが大切です。

しかし急な思い付きで同人誌を作りたい時や、もう一冊新刊を増やしたいという時には予約期間を過ぎてしまうことも。ここでは即日で依頼できる印刷会社をご紹介しています。


サイトで納期をチェックしておく

印刷会社にはそれぞれ必要な作業日数が設定されています。できあがった同人誌を「いつまでに」「どこに」届けてほしいのかを把握して、依頼するようにしましょう。

特に大型イベントに直接搬入する場合は、特別なスケジュールで動いている場合もあります。いざという時に間に合わないという事態を避けるためにも、公式サイト等をよくチェックしておくことをおすすめします。


即日で頼める印刷会社 5選

即日で頼める印刷会社 5選

栄光印刷

グッズから同人誌まで幅広いラインナップを揃えている栄光印刷は、早割から特急プランまで事前予約が必要ないのが特徴です。スケジュールによっては特急プランの設定がないこともあるので、事前に入稿スケジュールをよく確認しておきましょう。

栄光印刷


おたクラブ

おたくらぶ
グッズ制作で有名なおたくらぶですが、実は同人誌の印刷も行っています。表紙のバリエーションが非常に多く、他社では見たことのない特殊紙も取り扱っているのが特徴です。サイトから混雑状況がチェックできるので、発注前に納期等を確認しておきましょう。

おたクラブ


しまや出版

しまや出版
表紙のフルオーダーや多色刷りを扱っており、小説本向けのプランが多いのが特徴です。特急便以外は予約なしで入稿でき、イベント会場への直接搬入も可能です。

しまや出版


日光企画

日光企画
グッズや同人誌のプランが非常に多く、少部数から大部数まで対応可能です。超特急プラン以外は予約不要で、アナログ原稿の持ち込み入稿にも対応しています。

日光企画


大陽出版

大陽出版
オフセット、オンデマンドともに入稿方法が多く、ウェブ入稿、CD-R等のディスク、アナログ持ち込み入稿に対応しています。早割、通常締め切りともに予約は必要ありません。

大陽出版


わからないことがあれば印刷会社に聞いてみよう!

わからないことがあれば印刷会社に聞いてみよう!
印刷会社の公式サイトには詳細なマニュアルが掲載されていることも多く、入稿の心強い味方になってくれます。でもマニュアルや料金表に載っていない仕様や、細かい質問等はその都度聞くのが一番です。

メールフォームや電話等、ほとんどの印刷会社が個別の問い合わせを受け付けています。分からないことをそのままにしないのが、発注ミスや印刷トラブルを防ぐ第一歩です。


やってみたい加工のイメージを伝えてみよう

イメージに合う加工や装丁の同人誌があれば、本の最後にある奥付をチェックしてどの印刷会社で刷られたものか確認してみましょう。加工だけでなく、カラー印刷の発色やPP加工の雰囲気を把握するのにも役立つはずです。

「こういうイメージに仕上げたいが、どんな加工が最適か」といった相談してみる方法もあります。特殊加工は通常よりも締め切りが早くなることが多いので、できるだけ早めに相談するようにしましょう。


サンプルを請求してみよう

印刷会社には使用している用紙や加工をまとめた、サンプルセットを用意しているところもあります。特殊紙の触感や印刷の出方を直接見られるので、装丁イメージを固めるのにぴったりです。

会社によってはモノクロ原稿のトーン濃度比較がついていることもあるので、作画参考としても積極的に活用していきたいですね。


直接相談するなら、イベント出展時がおすすめ

同人誌即売会にはさまざまな企業も出展していますが、印刷会社も出展してさまざまなPRを行っています。たいてい会場の一角に固まっていますので、即売会に行った際には立ち寄ってみるのも良いでしょう。印刷会社の人から直接話を聞いたり、相談できるチャンスです。


まとめ

まとめ
同人誌の印刷には聞き慣れない言葉も多く、最初は戸惑ってしまうことも。でも、自分で書いた作品が実際に本になった時の喜びはひとしおです。書いた作品をより輝かせるために、作品と自分の制作スタイルに合った印刷会社を選びたいですね。

この記事を書いた人

原野 真里菜

原野 真里菜

小説書きでツイ廃。一日140字10ツイートできるけど一日1,400字書けないのが不思議。ツイートしてると原稿は進まない。体力づくりのため筋トレを始めた。