「おっさんずラブ」や「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」といったのテレビドラマなどで、最近よく見かけることが多くなったBL作品。テレビドラマからBLについて興味がわいた方も多いのではないでしょうか。
しかし、BL作品には専門用語が多く、いまいち意味が分からない…なんて困っている方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は、BL作品でよくみられる用語を、以下でまとめました。
またBL用語を改めて知りたいという、BL愛好家の方にもぜひ読んでいただきたいものを集めました。これさえ知っておけば、どのBL作品も楽しめること間違いなし!BL用語を覚えて、奥深いBL作品の世界に浸ってみませんか?
目次
覚えておきたいBLの基礎用語
まずは、覚えておきたいBLの基礎用語です。
BL
BL(ビーエル)とは、ボーイズラブの略称。男性同士の恋愛を指します。
カップリング
カップリングとは、男性の組み合わせのこと。〇〇×▲▲などと表記されるので、掛け算とも呼ばれています。また略称として、カプ・CPとも表されることもあります。×表記の並びは重要な意味があり、逆になると意味合いが変わっていきますので、注意が必要です。
受け
男性同士の肉体関係で、いわゆる受け入れる側のこと。精神的に想いを受け止める方としても表現されることもあります。〇〇×▲▲表記では、▲▲に名前を表記するため、右と言われることも。同性愛者の間で使われる用語である「ネコ」という表現もあります。
攻め
男性同士の肉体関係で、入れる側のこと。精神的にリードする方として表現されることもあります。〇〇×▲▲表記では、〇〇側に名前を表記するため、左とも言われています。また同性愛者の間で使われる用語である「タチ」という表現もあります。
腐女子
男性同士の恋愛を取り扱った作品を好む女性のことで、「婦女子」から文字られた言葉。「腐」という漢字を使うのは、「男性同士の恋愛を妄想して興奮する私は腐っている」と、自虐で言われたのが始まりです。
腐男子
男性同士の恋愛を取り扱った作品を好む男性のこと。
推し
推しとは、「好きなもの」や「ほかの人におすすめしたいもの」を指す言葉。一押しのメンバーの略称、推しメンから派生した言葉で、以前からアイドルオタクが使用しているものが一般的に広まりました。
アニメキャラやアイドル、声優、飲食物など、あらゆるものに使えるかなり汎用性の高い言葉です。
メンズラブ
メンズラブは、青年以上の男性同士の恋愛のことを言います。ボーイズラブとの違いは、年齢設定が上で、設定がより現実的なものだというところです。
カップリング・ジャンルを表すBL用語
続いては、カップリングやジャンルを指す用語についてです。
リバ
リバとはリバーシブルの略称。受けと攻めが決まっておらず、逆になることもあることを指しています。同人誌の注意書きなどに使われます。
固定
カップリングの受け・攻めが固定されていることを言います。こちらも同人誌の表記に利用されたり、またはSNSのプロフィールに書いて、趣向を明記しているケースもあります。
ノンケ
異性愛者のこと。ストレートと言うこともあります。BL作品の登場人物には異性愛者が登場するものも多く、よく使われる言葉です。
総受け
どのキャラクターとカップリングを組んでも、受けになるキャラクターのことを指す用語。
総攻め
どのキャラクターとカップリングを組んでも、攻めになるキャラクターのことを指す用語。
ヘタレ攻め
普段ヘタレで頼りないキャラクターが攻めになること。BL作品では人気のジャンルで、商業・同人ともに描かれることが多いのが特徴です。普段頼りなくても、ベッドでは攻めるというギャップが、人気の理由の1つです。
わんこ攻め
受けに対して、犬のように従順で人懐っこい攻めのこと。「受けに対して人懐っこく、ぐいぐい迫っていく姿が良い」と、好きな人が多いジャンルです。
おやじ受け
40代以降の男性が受けに回ること。年下の若い男性からぐいぐいと攻められてタジタジになるおじさんや、若い男性をたぶらかす手練れなおじさんなど、ジャンルの中でもさまざまなタイプがあります。
誘い受け
精神的には主導権を握りながらも、行為では受け側に回るキャラのこと。あくまで誘惑することであり、さらに積極的に押し倒すなどをするものは「襲い受け」に分類されます。
下剋上
立場が下の人が、目上の人に対して攻めるジャンルのこと。例えば、後輩×先輩、部下×上司などを指します。「受けとなる立場が上のキャラが、下の立場のキャラに弱みを握られる」というのが、王道の流れの1つです。
スパダリ
スパダリとは、スーパーダーリンの略称。高身長、高学歴、高収入、容姿端麗など、非の打ち所がない高スペックの攻めのことを指します。BL作品に登場する攻めを表す用語でしたが、最近では一般の人でも使う言葉になっています。
オメガバース
オメガバースは欧米の二次創作ファンの間で生まれたジャンル。男女の性別のほかに第二の性が存在する、特殊な世界観が特徴です。
- α(アルファ):エリート階級で、社会的地位の高い者が多いのが特徴。Ωとは本能的性質である「番(つがい)」という特別な関係が結べる。
- β(ベータ):一番多い属性。一般的にβ同士で結婚することが多い。
- Ω(オメガ):発情期(ヒート)があり、男性でも妊娠できる属性で、社会的弱者。3ヶ月に1度訪れる発情期では、番のいないαを誘惑するフェロモンを発生させてしまう。
細かい設定は作者によって変わりますが、大まかな世界観は上記のものです。海外では序列が変わらないのが一般的ですが、日本ではさらに発展してΩ×αなどの作品が出てきています。理性と本能に翻弄されるオメガバースの世界は、現実にはない葛藤を生み出し、重厚で魅力的なストーリーの作品が多く登場していますよ。
オメガバースの派生が増加中
オメガバースの登場以降、〇〇バースというさまざまな派生ジャンルが登場しています。以下ではその中の一部をご紹介します。
- Dom/Subユニバース(海外の二次創作から派生した、男女とは異なる性であるDomとSubが存在する世界)
Dom:SMでのSの立場。Subを支配したいという欲求があり、Subに対して「お仕置きしたい」や「守ってあげたい」という思いを抱く。
Sub:SMでのMの立場。Domに支配されたいという欲求があり、Domから「お仕置きされたい」や「構ってほしい」などと望んでいる。 - ケーキバース(先天的に生まれる美味しい人間「ケーキ」と、ケーキを美味しいと感じる「フォーク」が存在する世界)
- アイスバース(ジュースという人種と結ばれると溶けてしまう「アイス」と、アイスと結ばれると死なせてしまう「ジュース」が存在する世界)
知っていると上級者!コアなBL用語
最後は知っているとさらに楽しめる、上級者向けのBL用語をご紹介します。
やおい
やおいとは「ヤマなし、オチなし、イミなし」の頭をとって作られた言葉で、同人BL作品を指す用語です。もともとはストーリー性がなく自己満足の漫画ということを皮肉った言葉でした。
今ではその意味合いは薄れ、二次創作の同人BL作品を指す言葉となっています。
薔薇
男性同士の恋愛模様を花の名前を使って表した隠語。男性の同性愛者向け雑誌「薔薇族」から来ています。
ナマモノ
実在する人間同士の恋愛模様を描いた作品を指すBL用語。男性アイドルや芸能人といった有名人を題材にしており、取り扱いに細心の注意が必要なジャンルです。本人にこういった作品を教えるといった行為はタブー。
SNSでのBL発言も要注意です。ちなみにドラマや特撮といった生身の人間が演じている作品の二次創作は半ナマと言われ、こちらも取り扱いに注意しなければなりません。
沼
好きなものにハマりこんでいることを指します。足を踏み入れて、底なし沼のように抜け出せない様を例えています。アニメやゲーム、舞台やコスメなどさまざまなジャンルで使われます。
「〇〇沼におちた」、「〇〇は沼」などという表現をします。
尊い
対象に「素晴らしい」、「最高」といった意味を込めた最上級の誉め言葉。以前流行した「萌え」よりも信仰心が強く、好きだけでなく尊敬や崇拝といったニュアンスも含まれています。
「推しが尊い」といった使われ方をします。
まとめ
基本的なBL用語から知っておくとより楽しいものまで、計25個ご紹介しました。同人界隈は本来隠れながら楽しむ、アングラの要素が強いものです。専門用語が多く、初心者にはなかなか難しいものもあったかと思います。
BL用語を覚えて、世の中にたくさん生まれているBL作品を楽しんでくださいね!