同人界でも人気のあるジャンルの一つ、BL(ボーイズラブ)。一般的な同人活動のポイントに加え、BL作品には独特の創作ポイントがあります。たとえば、BL作品を描く上でこんな悩みを感じたことはありませんか?

「男性キャラを描こうとしているのに、どこか女性っぽさが出てしまう」
「ストーリーの盛り上がりが足りなかったり、不自然になってしまったりする」

作品を描き始めたばかりの作家であれば、自分の作品に対して違和感を覚えたり技術不足を感じたりした経験があるでしょう。BL作品を描く場合は、さらに男性キャラ単独やキャラ同士の関係性の描き方が重要です。

BLのイラスト・マンガの描き方について「キャラ設定」「ストーリー展開」「表情や身体の描写」の3点からまとめました。





BLのイラスト・マンガでキャラ設定に迷わないためのコツ

BLのイラスト・マンガでキャラ設定に迷わないためのコツ BL作品の描き方の重要ポイント1つ目がキャラ設定です。BLのマンガはもちろん、イラストを描く場合でもキャラクターの属性や性格の設定は欠かせません。

カップリングのイラストを描く場合でも設定によってはキャラ同士の関係性が変わり、自然なシチュエーションや距離感が変わります。

魅力的なキャラクターをBLで描くためには、どのようにキャラ設定を作ればよいでしょうか。キャラ設定のコツについて、解説します。

BLのキャラ設定は王道を参考にギャップを演出しよう

BLのキャラ設定は王道を参考にギャップを演出しよう
キャラ設定が苦手な人は、まず王道のパターンをなぞるところから始めるとカンタンです。自分が好きなBL作品を思い描きながら、どんなキャラクターの属性があるのかを考えてみましょう。

キャラクターの属性としては「わんこ」「ツンデレ」「ドS」といった性格的なものから、「やさしげ」「さわやか」「目付きが悪い」といった外見的なもの、そして「サラリーマン」「執事」「騎士」といった職業的なものまで様々です。

性格・外見・職業といった属性をかけ合わせて、キャラクターの設定を組み上げていきます。属性の組み合わせで意識したいのは、ギャップの演出です。

例えば、見た目がやさしげで性格もやさしいキャラクターよりも、見た目はやさしげだが本性はドSなキャラクターの方がカップリングの演出やストーリー展開の幅が広がります。

BLの描き方としては、軸となるキャラの設定を定めてからカップリングの関係性を決めていく方法と、兄弟や幼なじみといったカップリングの関係性を決めてからキャラ単体の属性を決めていく方法があります。

キャラクター設定のポイントはギャップの演出。そして、イラストであれば小道具やキャラの仕草、マンガならストーリーの中でギャップをどう見せるかが作家の腕の見せ所になります。

慣れないうちは二次創作から始める手もアリ

キャラクター設定でギャップを演出すると言われても、いきなりゼロからキャラを作り上げるのが難しいと感じる人も多いでしょう。そこでおすすめしたいのが、二次創作から作品づくりを始めることです。

原作がある二次創作であれば、キャラクターの設定がすでにある程度なされています。BLジャンルに限らず、好きな原作を楽しみながらキャラクターの描き方を研究してみましょう。

設定資料集やファンブックが発行されている原作であれば、ぜひ目を通してみると創作の参考になります。

自分の頭の中でキャラクターが浮かんできたら、二次創作のイラストやマンガを描いてみるとよいでしょう。二次創作であっても、自分の個性が徐々に浮かび上がってきます。

創作に慣れてくれば、さらにアレンジを加えることも可能です。たとえば二次創作の中にオリジナルキャラクターをひとり登場させたらどんなストーリーが展開できるのか、イメージをふくらませてみるだけでもキャラづくりの練習になります。


BLイラスト・マンガにおける魅力的なストーリーの描き方

BLイラスト・マンガにおける魅力的なストーリーの描き方 BL作品の描き方の重要ポイント2つ目がストーリーです。マンガであればストーリーに合わせてプロットを作る必要がありますし、イラストであっても、構図や背景を決めるためにはストーリーを考えておく必要があります。

ストーリー作りの基本ルールを抑えてから、BLならではのストーリーの描き方のヒントを解説します。

ストーリー作りの基本ルールを知ろう

ストーリー作りの基本は、キャラクターの内面の変化を描くということです。ハリウッド映画でも用いられるストーリー作りの原則のうち、ラブストーリーで用いられる事が多いルールを一部ご紹介します。

「人生の節目」:つらい経験や別離など人生の中で避けられない出来事がキャラクターの成長につながり、結果的に主人公たちの関係性が変化する。

「魔法のランプ」:ある日突然、奇跡的な何かが起こってキャラクターの願いが叶う。ところが、願いがかなった代わりに何かを失ったり代償が求められたりする。

ストーリー作りの基本は、BL作品の描き方にも通じます。メインキャラクターの恋愛にはどのような試練や障害があるのかをまずストーリーの軸として考えてみるとよいでしょう。

男性キャラならではの特徴をラブストーリーに入れ込もう

BL作品の場合、男性同士の恋愛だからこそ生じる様々なハードルが考えられます。カップリングが成立する前であれば、キャラクターによっては男性同士の恋愛に葛藤する心理が考えられます。

カップリング成立後も、世間体や周囲の目といった状況が障害として考えられます。作品の世界観によっては、身分の差や女性の婚約者の存在も試練となるでしょう。

BL作品の場合、ストーリー展開における苦難の描き方が「男性同士」だからこそ変わってきます。「性別なんて恋愛には関係ない」というアプローチの作品も増えてきましたが、物語のルールは共通です。

人物の内面や外的環境にあるハードルを超えて、キャラクターがどう変化をしていくのかを丁寧に描くことがストーリーの魅力につながります。

BLでキャラがからむイラストを描く際にも、キャラクターが互いに対して抱く感情が背景ストーリーの段階によって異なる点に注意しましょう。

知り合ったばかりのキャラクターなのか、互いに惹かれつつも憎み合っている関係なのか、すでに付き合っている関係なのか、関係性によって仕草や表情の描き方が変わります。


BL作品でキャラの表情や身体パーツを上手に描くヒント

BL作品でキャラの表情や身体パーツを上手に描くヒント BL作品の描き方3つ目のポイントは、キャラクターの表情や身体パーツの描写です。キャラ設定やストーリーが練られていても、実際に描けなければ読者に伝わりません。

イラストやマンガをうまく描くには練習が欠かせませんが、どのような点に注意すればBLキャラの表情や身体パーツなどを自然に描けるのか、画力向上のためのヒントをお伝えします。

男性の体の描き方は骨格から:人体の基本を押さえよう

男性の体の描き方は骨格から:人体の基本を押さえよう
BL作品の場合、登場キャラクターは男性が多くなります。多様な男性キャラを描き分けるためには、人間の体の仕組みを骨格から知っておくことが女性以上に求められます。

例えば、女性に比べ男性は骨が太く、脂肪が少ない分筋肉がくっきりと浮かび上がります。男性の骨盤は横幅があばら骨とほぼ同じで、タテに長くなります。女性よりも上半身が大きく、腰のくびれがほとんどありません。

顔にも骨格の違いが表れます。男性の顔は、頭や頬が女性よりも角張っているのが特徴です。鼻筋がしっかりと立っていて、額も鼻も直線的に描かれると男性的に見えます。

裸体はもちろん、服を着せた場合にも男性と女性の身体の違いは明確です。たとえば男性のヘソの位置は女性よりもウエストに近く、ベルトの位置だけでも変わります。

解剖学的に人体を学んでから絵の練習を重ねることで、BLなのに男性キャラが女性に見えてしまうといった違和感のある描き方を改善できるようになります。

ポイントは女性との描き分け:細部こそ要注意

BLの描き方において、男性と女性の描き分けは非常に重要です。男性同士のカップリングを描いているはずなのに、女性同士に見えてしまっては作品の世界観を大きく損ねてしまいます。

BLを描く作家は女性の割合が多いため、局部など男性ならではの身体パーツをうまく描くには特に観察と練習が必要です。

さらに表情の描き方にも男性同士ならではの表現が求められます。男女のカップルであれば当たり前のような展開でも、男性同士であれば抵抗や羞恥といった感情が描きたいシーンの表現に適切な場合があります。

キャラクターの感情表現としては、顔以外にも指先などの細部にも表情が表れます。BL作品は男同士の関係であることを常に念頭に、細部の描写まで気を抜かないことで全体の完成度が大きく上がります。


BL作品を描くための参考本ピックアップ

BL作品を描くための参考本ピックアップ BL作品の描き方を基礎から学べる本として、キャラ設定・ストーリー・イラスト描写の3点から参考書籍をご紹介します。

BLのキャラクター設定の参考にするなら、「擬人化男子の描き方 <学園編>」(玄光社)が使いやすい本でしょう。モチーフから設定づけ、そしてカップリングの関係性を決めていく方法を学ぶことで、キャラ作りの基本が身につきます。

BLのストーリー作りをイチから学ぶのであれば「はじめてのBLマンガの描き方」(グラフィック社)は初心者向けの本として適しています。キャラ作りからコマ割、構成まで基本をある程度網羅しているため、ストーリー作りを基礎から見直すにはよいでしょう。

イラスト描写の参考本としては、、「萌えふたりの描き方 男子編」(ホビージャパン)が男性二人を描くファーストステップに向いています。キスシーンを含め、男性二人のからみをどう描写するのか、女性との違いを身体だけではなく心理描写まで丁寧にまとめられています。

そのほか、自分の苦手分野に応じて男性の身体デッサンの本やスーツや和服など男性向けの衣装本などを追加して学んでいくとよいでしょう。


まとめ

BL作品の描き方には、男女のラブストーリーとは違う演出や工夫が求められます。最初は誰でも初心者です。あなたが思い描くBL作品をかたちにできるように、ぜひ今回の記事を参考に自分なりの描き方を磨いてみて下さいね。

この記事を書いた人

原野 真里菜

小説書きでツイ廃。一日140字10ツイートできるけど一日1,400字書けないのが不思議。ツイートしてると原稿は進まない。体力づくりのため筋トレを始めた。

このエントリーをはてなブックマークに追加