「腐女子」という言葉はご存じですか?ここ数年でさまざまなメディアで耳にすることが多くなりました。「アニメが好きな女子」のことを指すと思われがちですが、本当は違った意味の言葉なんです。
では、具体的にどういう人を指すのか気になりますよね。そこで今回は、気になる「腐女子」について徹底解説していきます。特徴やよく使う用語、あるあるなどを詳しくお話していきますよ。
また、腐女子が登場する面白い漫画やドラマなどがたくさんあるので、その中でも特におすすめの3作品をご紹介します。これを読めば、普段接する機会が少ないと思いがちな腐女子への理解を深められますよ!
目次
腐女子とは?
腐女子とは、「ボーイズラブ作品が好きな女子」を指す言葉です。ボーイズラブとは、男性同士の恋愛を取り扱った作品のことで「BL」と省略して呼ばれることが多いです。「腐女子」という言葉は、男性同士の恋愛を妄想することを「頭が腐っている」と例えた言葉が語源になっています。
もともとひそかに男性同士の恋愛を楽しんでいたのですが、最近ではBL作品のドラマや映画化が盛んになっており、少しずつ認知度が高くなってきました。
そして、注目してほしいポイントは、女性のオタクが全員BL好きとは限らないというところです。オタクの中でも、自分とキャラクターとの恋愛に憧れている「夢女子」や、作品内の男女のカップリングが好きな人など、タイプはさまざま。
腐女子は女オタクの中でも、特にBLが好きなタイプということです。混同しないように注意しましょう。
腐女子の特徴
では、彼女たちにはどういった特徴があるのでしょうか?以下で詳しくお話していきます。
二次創作(同人活動)を楽しむ
腐女子たちの中にはBLを読んで楽しむだけでなく、二次創作をして楽しんでいる人もいます。自分の中に思い浮かんだカップリングの物語を漫画や小説をネット上に公開したり、同人誌を発行したりしています。
中にはアクリルキーホルダーやポストカードといったグッズを作成している人もいますよ。
即売会に参加する
即売会とは、同人誌やグッズを頒布する同人イベントのこと。オタクでない人でも「コミックマーケット(コミケ)」という名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。コミケは男女のオタクが集まる、世界最大級の同人誌即売会です。
ちなみに、女性向けのみの大きな即売会は「SUPER COMIC CITY」です。ここでしか手に入らないものを求めて、多くの腐女子が集まります。
知っておくと楽しい!腐女子がよく使う用語
これから、腐女子がよく使う用語をご紹介します。これを知っていると、彼女たちの会話がわかりやすくなりますよ。
推し
好きなキャラクターやアイドル、物などを指す言葉です。もともとはアイドルオタクが使っていた「一推しのメンバー」という言葉が由来で、今ではオタクでない人も使う一般的な用語になっています。
好きだけでなく、「これから来るから見てほしい!」といった「推す」という言葉本来の意味で使われることもあり、汎用性の高い表現です。
課金
課金とは「料金を課す」という意味ですが、腐女子やオタクが使う課金は、主にスマホゲームで欲しいキャラクターをゲットするためのガチャにお金をかけることを指します。スマホゲームで好きなキャラクターをゲットするとなると、無料プレイだけでは難しいことが多く、出るまで回す強者ユーザーも存在します。
また、課金はスマホゲームだけでなく、好きなキャラクターのグッズなどを購入してコンテンツにお金を使うことを言うこともあります。
尊い
キャラクターや作品に対して「好き」や「素晴らしい」といった意味を込めて使う言葉です。以前は「萌え」という表現でしたが、ここ数年で「尊い」がよく使われるようになりました。尊いには好きという感情だけでなく、尊敬や崇拝といったものも含まれています。
地雷
「好きではないもの」や「受け入れられないもの」を指します。同人界隈ではカップリングやジャンルに使われます。苦手なものや受け付けないものをうっかり踏まないように、自衛をするためにSNSなどでよく書かれています。
腐女子あるある
続いては、腐女子が思わず共感してしまうあるあるをお話していきます。
アニメグッズや同人誌の収納に困る
アニメグッズや同人誌などを収集する人も多く、その数は収まりきならないほどになることも。人気作品ともなるとグッズの販売が頻繁で、どんどん増えていってしまいます。また、同人誌も集めだすとキリがないほど豊富なので、常に収納はパンパンという人もいます。
同人誌の隠し場所に困る
全員がそうとは限りませんが、BLが好きなことを積極的に話したくない人もいて隠しながら生活している腐女子も多くいます。知られたくないと感じている人の場合は、家族や友人の目につかない場所に同人誌を丁寧に隠して保存しています。
腐女子すごろくが面白いと話題!
数年前に腐女子たちの間で「腐女子すごろく」がひそかなブームになりました。どういうものなのかを詳しく見ていきましょう。
腐女子すごろくとは?
腐女子すごろくとは、すごろくの盤面に好きなカップリングのシチュエーションなどが書いてあり、すごろくをしながら語り合うというものです。SNS上ではさまざまなテンプレートが公開されていて、集まる仲間に合わせて、好きなテーマを選べます。
自分たちだけの腐女子すごろくを作ろう
ネット上にあるものを利用するのも良いですが、自分で作成するのも楽しいですよ。すごろくの盤面だけのテンプレートに、好きなテーマで自由に書き込むだけでオリジナルの腐女子すごろくが完成!
一緒に遊ぶ友達と相談しながら作るのも、楽しみの1つです。
腐女子が登場するおすすめ作品
最後に、腐女子が登場するおすすめの作品をご紹介します。どれも彼女たちの特徴をよく捉えている面白いストーリーなので、ぜひ読んでいただきたい作品です。
腐女子のつづヰさん
こちらは、腐女子である著者のエッセイ漫画。つづヰさん自身の面白さもさることながら、友人たちの個性も強く、ただの日常なのに笑わせてくれる作品です。腐女子なら共感すること間違いなし!
漫画は全3巻、そして続編の「裸一貫!つづヰさん」は2巻まで発売中なので、面白い腐女子エッセイがたっぷり楽しめます。
腐女子、うっかりゲイに告る
2020年にNHKで連続ドラマ化された作品です。もともとは「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」というタイトルで、小説投稿サイト「カクヨム」にて連載されていてたものです。
同性愛者ということを隠しながら生活している男子高校生と、腐女子の同級生との関係を描いた作品で、目に留まるタイトルとは裏腹に「普通」に苦しむ男子高校生のリアルな姿を、細やかに描いています。
私のジャンルに「神」がいます
更新されるたびにSNSで話題となっていた漫画が、「私のジャンルに「神」がいます」です。とある二次創作のジャンルで、1人の天才文字書きに憧れ、嫉妬する女性たちのストーリー。
同人活動の楽しい部分だけでなく、嫉妬や執着といった暗い部分もリアルに書き上げられています。
まとめ
知っているようで知らない「腐女子」について、特徴やあるあるなどを詳しくご紹介しました。彼女たちのことをもっとよく知りたいという方には、上記でおすすめした漫画を読んでみるとさらにわかりやすいですよ。
「腐女子」という言葉は自虐を含んだ「腐った私たち」という言葉でしたが、最近は自虐的とはいえ「腐」というネガティブな言葉を、同じ趣味の人たち全体に適用するのはどうなんだろう?という意見を見かけることが増えてきました。
また、社会現象となり企画書にまで登場するなど、自虐的な言葉をコミュニティの外の人たちまでが使いだすことに対する疑問などもあり、現在はその使用に関して慎重になる層も存在します。
BL作品のドラマ化等が増え、すっかり一般的になった「腐女子」という言葉ですが、もしかすると近い将来、新しい「BL好き」な人たちの名称が生まれ、流行になっていくのかもしれませんね。