BLの人気ジャンルの1つである「オメガバース」をご存じですか？αやΩといった言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。しかし、「男が妊娠できる」や「発情期がある」なんていう特殊な設定や世界観で、とっつきにくさを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
オメガバースは知れば知るほど、奥深い世界観とストーリーの深みにきっとハマってしまうこと間違いなし！今回はオメガバースとは何なのか、そして知っておきたい専門用語についてご紹介します。
また、オメガバースの魅力はどんなところにあるのかについても、詳しくお話していきます。魅力あふれるオメガバース作品に触れて、今までにない世界観を感じてみませんか？
目次
オメガバースとは？
BLで人気のジャンルでもあるオメガバースとは、アメリカの二次創作から生まれた世界観です。では、詳しく見ていきましょう。
男が妊娠できる世界
オメガバースの大きな特徴は2つ。まず、1つ目は性別が男女だけでなく、α（アルファ）・β（ベータ）・Ω（オメガ）という第2の性があるところです。第2の性があることによって社会にヒエラルキーが存在し、支配し支配されるという世界です。
そして、2つ目の大きな特徴は、「男が妊娠できる」というところです。また、発情期も存在していて、人間らしい理性と、抗えない本能の葛藤が楽しめるジャンルです。ただ、男の妊娠や発情期といったシステムがあるため、差別表現が少なからず登場します。
そのため、登場人物が暗い過去を持っていたり、虐げられていたりと、重たいストーリー展開の作品も多く、オメガバースは好みの分かれるジャンルです。
狼の群れがモチーフ
オメガバースは狼の群れが元になって生まれた世界観です。狼は群れの中で序列を作って生活しています。群れのトップであるアルファのみが繁殖可能。そして、群れの中で最下位であるオメガは群れの中でいじめられる存在です。
この狼の習性を人間世界に当てはめて作られたのが、オメガバースです。オメガバースの誕生のきっかけというのは、アメリカの人気ドラマ「スーパーナチュラル」に登場する主人公たちの二次創作です。
主人公の兄弟が悪霊や悪魔、怪物といった超自然現象に立ち向かうというストーリーなのですが、そのシリーズの中で「狼男」の回がありました。狼男からインスピレーションを受けたアメリカのファンたちがオリジナルの設定を作り、そこから広まったと言われています。
日本よりもケモノの文化が受け入れられているアメリカだからこそ、生まれたジャンルと言えます。
日本では独自の進化
このジャンルが生まれたアメリカではαは攻め・Ωは受けと固定されていますが、日本ではさらなる独自の進化を見せています。一例として、本来攻めの役割であるαが受け、そして受けの役割であるΩが攻めになるというもの。
日本では攻め・受けが固定されずにさまざまなカップリングが生まれていて、面白い作品が数多く登場しています。
オメガバースの派生ジャンルも登場
オメガバースの他にも、特殊な人種が登場する派生ジャンルがあります。オメガバースが好きな方は、派生ジャンルもハマってしまうかもしれません。主な派生世界は、以下の通りです。
- アイスバース（アイス・ジュースと呼ばれる人種が存在する世界）
- ケーキバース（ケーキ・フォークと呼ばれる人種が存在する韓国で生まれた世界）
- バタフライバース（蝶・蛾・蜘蛛・蜂と呼ばれる人種が存在する世界）
- ドールバース（ドール・プレイが存在する世界）
- ドースバース（ドラッグ・クランケ・ノーマルと呼ばれる人種が存在する薬をモチーフにした世界）
- DNバース（3種の人種と、4種の派生人種が存在する世界）
- Dom/Sumバース（SやMといった性的趣向をモチーフにした、海外で生まれた世界）
マイナーながらもどれも奥深い世界なので、気になった方はチェックしてみると良いかもしれません。
オメガバースの階級
では、オメガバースに重要な設定である階級についてご紹介します。これを知っているだけで、オメガバース作品を楽しめるようになりますよ。
α（アルファ）
αは希少なエリート階級で、ヒエラルキーの頂点。生まれながらにして優秀で、リーダー性やカリスマ性に優れています。政界や、会社の重要な役職に就くことが多いのが特徴。BLで攻めの立ち位置になるのがαです。
男のΩを妊娠させることが可能で、発情期に番のいないΩが発するフェロモンに反応してしまい、理性がなくなってしまいます。
β（ベータ）
オメガバースの世界で最も人口が多いのがβです。能力は平均的で、いわゆる凡人。β同士で結婚することが多いのが特徴です。発情期はなく、Ωの発するフェロモンに反応はするものの、自制が可能。
Ω（オメガ）
Ωには3ヶ月に1度発情期があり、番のいないαをフェロモンで誘惑してしまう体質です。Ωであるだけでキャリアを絶たれてしまったり、フェロモンのせいで男性に襲われてしまうなど、差別対象となっている社会的弱者。
発情期に性交渉を行うと、男性も妊娠できるのがΩです。Ωであることを周囲の人間に知られてしまうと生活しにくくなるため、ひた隠しにしているという設定の作品が多いです。
オメガバースを楽しむための知っておきたい用語
オメガバースには上記で紹介した階級以外にも、独特な用語が存在します。オメガバース作品をより楽しむために知っておきたい、基本的な用語を詳しくご紹介します。
番（つがい）
番とは、αとΩの間で結ばれる繋がりのこと。結婚とは別物で、本能的な部分での繋がりを指します。「運命の番」が存在し、例え別の人と結婚していても、運命の番が出会うとお互い惹かれ合ってしまいます。
作品によってはαがΩの首筋を噛んだり、性交渉をしたら番になる、というものもあります。番は本能的な繋がりであるため、基本的には死ぬまで解消できません。番になると、Ωが放つフェロモンは番のαしか反応しなくなります。
ヒート
ヒートとは、3か月に1度Ωに現れる発情期のことです。ヒートになってしまうと、繁殖行為以外のことができなくなってしまいます。さらに、番がいないΩはヒート時に発するフェロモンは、番のいないαを誘惑してしまうもので、時にはαに襲われてしまうことも。
そのため、ヒート時には学校や仕事を休んだり、抑制剤を飲んでやり過ごすというケースがほとんどです。
抑制剤
抑制剤とはΩがヒート時に使うフェロモンの発生を抑える薬のこと。Ωであることを周囲に知られるとデメリットしかないため、抑制剤を使ってΩだということを隠して生活しています。
巣作り
巣作りとはΩが行う行動のことで、発情期にαのタオルや服といった私物をベッドに持ち込んで包まっていることを言います。αのにおいに包まれたいと起こす行動で、その姿が小動物のように見えるために「巣作り」と言われています。
オメガバースの魅力
では、オメガバースの魅力はどんなところにあるのでしょうか？4つの魅力をご紹介します。
理性と本能に翻弄される登場人物たち
オメガバースの世界には、例え結婚していても運命の番と出会えばお互いに惹かれあってしまうという、本能の恋愛がストーリーに大きく関わってきます。また、Ωは否応なしにフェロモンを出してしまって、多くのαから狙われてしまうなど、日常ではありえない設定が人々の心を掴んでいます。
社会的格差が生む恋愛の障害
オメガバースには第2の性があることで生まれる、社会的格差があります。そのため、恋愛のハードルを上げ、複雑な恋愛模様が描かれています。また、日本独自の進化として、αが受けなったりするので、通常のBL作品にはない面白さがあるのが特徴です。
共通設定でわかりやすい
オメガバース作品には、作品によって細かい設定が違ってきますが、α・β・Ωの役割や社会的立場などは共通です。そのため、基本的な設定を知っているだけで、大まかな世界観や価値観がわかるので、読みやすくなります。
また、単行本によって巻頭にオメガバースの設定を細かく掲載したものもあり、わからなくなったら世界観をおさらいできるので、意外と読みやすいですよ。
シリアスからコメディーまで豊富な種類
オメガバースは性質上、差別描写が多いのが特徴です。そのため、Ωが襲われたり、複数プレイなんていうものもあり、そこが苦手と感じる方が多く、どうしても好き嫌いが分かれてしまうジャンルです。
しかし、「オメガバースだから」とどの作品にも触れないのはもったいない！実は、ほのぼのした家族ものや、終始笑えるコメディーなどの明るい作品も多いんです。どんどん商業BL作品が生まれていますので、まずは明るい作品から読んでみませんか？
まとめ
今回はオメガバースが持つ奥深い世界観や、知っておく楽しめる用語について、詳しくご紹介しました。男性が妊娠できたり、発情期があったりと普通ではありえない設定ですが、そういう世界だからこそ生まれる魅力があります。
ただ、差別的な表現があるものも多く、そういったものが苦手な方にはなかなか手が出しにくいジャンルかと思います。しかし、オメガバース独特のダークなものだけでなく、ほっこりするものや笑えるコメディーなど、楽しい作品が日本には数多く登場しています。
ダークな展開が苦手という方は、ほっこりできる優しい作品から触れてみても良いかもしれません。興味が出てきたという方は、ぜひいろんな作品を読んでみてくださいね！
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DLsiteがるまに 「オメガバース」の作品一覧
DLsiteがるまにについては下記の記事でご紹介しています。DLsiteがるまにを知らないという方はこちらをチェックしてみてくださいね。
DLsiteがるまにとは？7つの魅力をご紹介