同人誌即売会にサークル参加をする場合、参加申し込みから開催当日までに半年~3ヶ月の時間が空きます。
その間に同人誌の新刊や同人グッズの制作を進めるわけですが、数ヶ月にわたる作業スケジュールの管理が苦手という人もたくさんいます。
スケジュール管理ができていないと、入稿間際に寝る間を惜しんで原稿を仕上げることになったり、最悪の場合は同人誌の印刷が間に合わなくなったりします。
ギリギリの入稿で焦っていると、落丁や乱丁といった製本トラブルにも対応する心のゆとりがなくなるものです。できる限り余裕をもった進行を心がけたいですよね。
もしスケジュール管理が苦手と感じているのなら、ぜひ使ってみて頂きたいオススメツールが「同人手帳」です。
同人誌制作にお役立ちの「同人手帳」について、効果的な使い方をご紹介します。
目次
同人手帳とは
スケジュール管理に使われるツールには様々な種類がありますが、そのなかでも同人手帳は非常にシンプルで使いやすい無料のWebツールです。
制作者の桜咲ほとりさんいわく、「ホントに管理がめんどい人のために作った」アプリであり「ああーあとこれだけ頑張らないといけないのね可視化アプリ」とのこと。
そんな同人手帳の特徴をご紹介します。
同人誌制作に特化したスケジュール管理ツール
同人手帳は、所要時間1分程度の入力だけで同人誌制作スケジュールを自動的に立ててくれるオンラインのスケジュール管理アプリです。
最低限の入力項目を入れるだけで、締め切りから逆算してどの程度の作業ペースで進めれば間に合うのかを示してくれる優れもので、完全無料で使うことができます。
同人手帳は機能がシンプルな分、ふだんスケジュール管理をしない人でも直感的に操作できる設計なのがありがたいですね。
使い勝手のよさがユーザーから高く評価されており、同人誌制作に限らず様々なスケジュール管理にも使われています。
Twitter連携でクラウド保存可能
同人手帳はユーザー登録なしで手軽に使えるWebアプリですが、ブラウザのキャッシュを消すとせっかく入力したデータが消えてしまうというリスクがあります。
同人手帳のデータをクラウド上に保存するためには、Twitterアカウントとの連携が必要です。アカウントを登録しておけば、パソコンやスマートフォンなど複数の端末からでもスケジュールを確認できるようになります。
同人手帳はプロジェクト管理サービスQovo(こうぼう)がベースになっているため、Twitterアカウントを登録すると自動的にQovoの利用規約に同意することになります。
気になる人はQovoの利用規約もあらかじめ確認しておきましょう。
同人手帳を効果的に使うためのコツ
同人手帳でスケジュール管理を始める前に、いくつか入力すべき項目があります。
- 締め切り日
- 作業開始日
- ページ数
- 作業工程/作業時間
- 一週間のスケジュール
入力した内容は後から変更できますが、あまりに実態とずれていると制作スケジュールに狂いが生じます。
同人手帳をより効果的に使うために、抑えておきたいチェックポイントをまとめました。
印刷所の入稿スケジュールを把握しよう
同人手帳のスケジュールを決める上で、締め切り日の設定は非常に重要です。印刷所の入稿予定日よりも締め切りを2~3日早めておくと制作スケジュールにゆとりが生まれます。
予期せぬトラブルなどによって進行が遅れる場合も想定して、いつまでなら印刷所の入稿プラン変更が可能かも合わせてチェックしておくとよいでしょう。
同人手帳でスケジュールを自動的に決めて終了ではなく、時々見直して進行状況に合わせた修正を加えるのがスケジュール管理のポイントです。
ページ数をできるだけ正確に見積もろう
同人手帳でスケジュールを調整する際、想定している同人誌のページ数をもとに工数の見積もりがなされます。
ページ数は後で変更できるため、おおよその数で入力しておけば問題はありません。しかし、実際のページ数が想定よりも大幅に増えていくと入稿までのスケジュールも自ずと厳しくなります。
スケジュール管理が苦手な人ほど、ざっくりとしたラフを書くなどしてページ数をなるべく正確に見積もっておくことをおすすめします。
自分の作業ペースを日頃から意識しよう
マンガを描くにしても、人それぞれ作業工程にかける時間配分が異なります。プロットやネームに時間を多く割く人もいれば、ペン入れやトーン貼りに時間を多めにかける人もいるでしょう。
同人手帳で効果的なスケジュール管理をするためには、自分の作業ペースをある程度つかんでおくことが大切です。
工程ごとの時間を把握しておけば、今後どのような同人誌を制作するにしてもスケジュール管理がぐっと楽になります。
マンガを描いた経験があまりない人は自分のペースを予測しにくいため、まずは同人手帳のデフォルト設定のままにしておき、作業を進めながら時間調整をしていくとよいでしょう。
同人手帳でスケジュール管理を始める4ステップ
制作スケジュールを調整する際に、同人手帳の設定はたった4ステップで完了します。
どのような操作をするのか、入力画面の画像を交えて具体的に説明します。
1:締め切りと作業開始日を入力
同人手帳を開いたら、まず「計画を始める」ボタンをクリックします。
「〆切はいつ?」と尋ねられるので、原稿作成を終える目安の日をカレンダーで設定しましょう。
次に作業を開始する日を同じくカレンダーで入力します。
2:総ページ数と工数を設定
締め切り日と作業開始日が決まったら、次は同人誌本文のページ数を入力しましょう。ここでは表紙を計算に入れる必要はありません。
次に作業工程を選びます。マンガの同人誌であれば通常必要であろう工程はデフォルトで入力されていますが、必要に応じて項目の削除や追加が可能です。
工程が決まったら、それぞれにかかる作業時間の目安を入力しましょう。集中力や疲れの度合いによって作業ペースは変動することが多いので、作業時間はやや多めに見積もっておくほうが安全です。
3:曜日ごとの作業時間を仮決め
最後に、日曜から土曜までの各曜日でどのくらいの時間を制作に割けるかを入力しましょう。
曜日ごとの時間配分は目安で構いませんが、一週間のトータル作業時間はなるべく実態と近い内容にしておきましょう。
そうしないと、同人手帳のスケジュール計算と実際の進行のずれが大きくなってしまいます。
4:スケジュールに無理があれば見直し
ここまでの項目を全て入力すれば、同人手帳のスケジュールは完成です。各工程の進行目安がカレンダーにチャートとして示されます。
カレンダーの下には「予定の○○倍がんばりましょう」というメッセージが表れます。〇〇のところが例えば1.25倍なら、本来のペースで進めるとスケジュールが厳しいことが分かります。
1日の制作時間を多めにとったり、予定ページ数をこの段階で減らしたり、といった調整をこの段階で行っておくことで、入稿直前にあわてる心配がなくなりますね。
計画を立て終わったら、名前をつけてスケジュールを保存しておきましょう。同人手帳とTwitterアカウントとの連携をまだしていない場合は、このときに登録しておけばデータがなくなりません。
同人誌の制作を初めたら、適宜進捗状況をスライダーで入力していきましょう。全体の進行に合わせてスケジュールが自動調整されるので、現在の進行度合いが一目瞭然ですね。
まとめ
同人手帳は同人誌制作をする人にとって心強いスケジュール管理ツールです。全て無料で使えるので、ぜひ原稿に取り掛かる前にスケジュールをセットしておきましょう。
ただし、同人手帳はあくまでもツールでしかありません。最終的に使いこなせるかどうかはあなた次第です。
大規模イベントの前など新刊を絶対に落としたくないときの原稿のおともに、ぜひ同人手帳を活用してみて下さいね。
同人手帳
同人手帳を使わずにスケジュール管理をしたいという方は、こちらの記事でおすすめの管理方法等をまとめておりますのでぜひチェックしてみてください。
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