同人誌の受注生産とは?注意点とその方法

同人誌を作る時に誰もが悩む部数決め。いっそ受注生産できればどれだけ楽だろうと思った人もいるかもしれません。しかし受注生産については、同人業界の間で長らく避けるべき事項と考えられてきました。

ですが、リアルイベントへの参加が難しくなっているなかで、できるだけ在庫を持たずに同人誌を作りたいというニーズが高まっているのも事実です。

トリオくん
トリオくん

同人誌の受注生産ってどうして避けたほうがいいのかな?

 

原野 真里菜
原野 真里菜

ちゃんと理由があるんですよ。ただ実は、同人誌を受注生産しやすくする方法もあるので、くわしくやり方をお伝えしますね!



受注生産が避けられてきた背景やできるだけ在庫を持たずに同人誌頒布を行う方法について、お伝えします。




同人誌の受注生産はなぜ避けられてきたのか?

同人誌の受注生産はなぜ避けられてきたのか?
「同人誌の受注生産はしないほうがいい」という共通見解を、同人業界では多くの人が長い間持っていました。

どうしてそのような認識ができたのか、背景を知っておきましょう。

営利目的と見なされるため

営利目的と見なされるため
同人誌の受注生産は公式への配慮からしない方がよいこととされてきました。

二次創作の同人誌は、原作サイドが黙認している著作権グレーゾーンの活動です。

そのため同人誌頒布はあくまでも趣味の範囲から越えるべきではないという認識があります。

事前に受注した数にあわせて製本数を調整すると利益が生まれやすくなるため、ファン活動の一環としてはふさわしくないと判断されているのです。

公式ガイドラインを要チェック

トリオくん
トリオくん

暗黙のルールということは、明確な法律とかガイドラインはないのかな?

 

原野 真里菜
原野 真里菜

法律はありませんが、原作サイドが定めている同人活動のガイドラインは要チェックです!



原作サイドが同人活動のガイドラインを公開している場合、しばしば「受注生産はしないでください」と記載されていることがあります。

主にゲーム関係のガイドラインが厳し目に設定されていることが多く、たとえばHappy Elements社のコンテンツ「エリオスライジングヒーローズ」のガイドラインでは次のように明記されています。

受注生産については非営利目的の範囲とはみなされません。
出典:Happy Elements社 コンテンツ利用ガイドライン

ガイドラインを設けている公式サイドはしばしば規約を変更することがあります。自分の好みのジャンルができたら、公式ガイドラインには定期的に目を通しておきましょう。

オリジナル作品なら問題なし

オリジナル作品なら問題なし
受注生産が問題視されるのは、二次創作の同人誌だからです。つまり、オリジナル作品の同人誌であれば、在庫なしで販売しても問題ありません。

DLsiteなどを見ると実際、ダウンロード購入できるオリジナル作品のCG集やコミックが多数並んでいます。

自分のやりたいように作品を販売できるのは、オリジナルならでは強みですね。


同人誌の受注生産をそれでもオススメする理由

同人誌の受注生産をそれでもオススメする理由

トリオくん
トリオくん

理由はわかったけど、やっぱり本の在庫を抱えたくないし読みたい人にだけ作品を届けたいのになあ。

 

原野 真里菜
原野 真里菜

諦めなくても大丈夫!実は同人誌の受注生産を可能にしてくれるサービスが色々あるんですよ。



長らく敬遠されてきた同人誌の受注生産ですが、リアルイベントに参加できない方がコロナ禍の影響で増えたことにより現在ニーズが高まっています。

  • 同人誌を通販で頒布する場合、自宅など同人誌を置くスペースにも限りがあること。
  • リアルイベントよりも本を手にとって見てもらえない分、頒布のハードルが上がっていること。
  • 大量の同人誌を処分するのはお金がかかる上、心理的にも辛いこと。



これらの事情から、オンライン上で在庫を持たずに販売するやり方が見直されており、便利な機能やサービスが広まり始めています。


受注生産の体制を作りやすい「BOOTH」の機能とは

受注生産の体制を作りやすい「BOOTH」の機能とは
同人作家に人気の創作物のマーケットプラット「BOOTH」。BOOTHには、本の在庫を持たずに頒布できる機能があることをご存知でしたか?

トリオくん
トリオくん

そんな機能あったんだ!

 

原野 真里菜
原野 真里菜

BOOTHを使っていても、意外と知らない人も多いようです。ぜひ活用して頂きたいですね。



今こそ使いこなしたいBOOTHの便利機能についてお伝えします。

PixivFACTORYの1冊オンデマンド

PixivFACTORYの1冊オンデマンド
BOOTHと提携しているPixivのサービスを活用すると、1冊オンデマンドという頒布手法が選べます。

注文が来る度に、1冊単位から本を印刷してお届けできるサービスですね。過去に売り切れた本の原稿も、登録さえすれば再び頒布できます。

やり方はカンタン3ステップ。

  1. 原稿をアップロードする。
  2. BOOTHに登録する。
  3. 1冊売れるごとの額を設定して、販売スタート。



1冊オンデマンドを利用する場合、選べる仕様は次の通りです。

規格・加工 選べる仕様
表紙用紙 5 種類
本文用紙 7 種類
サイズ A5・B5・A6・B6・A4
ページ数 8~200P(表紙4P含む)
表紙加工 クリア・マットPPを選択可能


小ロット印刷なのでどうしても割高な価格設定になってしまいますが、在庫リスクが不要なため非常に使いやすいサービスです。

予約システム

BOOTHでは「倉庫に後から入荷」という方法を選ぶことができます。入荷前に商品の予約を受け付けることで、受注生産が可能です。

予約受付できる数は、在庫数の設定で調整します。予約システムを使う場合、配送方法が宅配便のみとなり、ゆうパケット送付よりも送料が高くなる点には注意が必要です。

同人誌以外に同人グッズの頒布にも使える方法ですが、公式ガイドラインで受注生産が禁止されている場合は避けましょう。

BOOTH


BOOTH以外でも受注生産ができる便利な機能・サービス

BOOTH以外でも受注生産ができる便利な機能・サービス

トリオくん
トリオくん

BOOTHっていろんな機能が使えるんだね~

 

原野 真里菜
原野 真里菜

そうですね。他にもオンラインに限らずリアルイベントでも活用できる便利なサービスがあるので合わせてご紹介します!



通販以外でも在庫リスクはなるべく減らしたいもの。BOOTH以外にリアルイベントでも在庫リスクを減らせる便利なサービスをご紹介します!

受注生産型の同人誌即売サイト「ライブラ」

受注生産型の同人誌即売サイト「ライブラ」
ライブラは「リスク0からできる同人誌委託販売サービス」を売りにした小ロット専門印刷会社のサービスです。

BOOTHの1冊オンデマンドと使い方は非常によく似ています。異なる点としてライブラの場合、自宅やリアルイベントへの配送もお願いできる点が強みです。

受注生産だけではなく、直接ファンと交流しながら頒布したい!というニーズにも応えてくれるのはありがたいですね。

BOOTHの1冊オンデマンドと印刷価格を見比べて、どちらを使うか選ぶのもよいでしょう。

ライブラ

Twitterでの部数アンケート

Twitterでの部数アンケート
リアルイベント参加の際に、部数の目安を測るために使われるのがTwitterのアンケート機能です。

いたずらで票が入ることもありますが、「買いたい!」という人の数がある程度わかるので在庫リスクが減らせます。

Twitterのアンケート機能以外に、Pixivなどでサンプルをあげてからサイトのアンケート機能で部数調査をすることもあります。

拡散もかねて部数を把握したいのであればTwitter、既存ファンの購入部数を知りたいのであれば各サイトでのアンケートがよいでしょう。

取り置きができる「トリオキニ」

取り置きができる「トリオキニ」

トリオくん
トリオくん

リアルイベントでも、もっと確実に在庫リスクを減らせたらいいのにな~

 

原野 真里菜
原野 真里菜

それなら「取り置き」してもらえるトリオキニの活用がおすすめです!



トリオキニはリアルイベントで出展サークルにあらかじめ本の取り置きをお願いできるサービスです。

利用方法としては、DLsiteのアカウントとTwitterのアプリ認証ができればすぐにでも使えます。しかも料金は一切かかりません。

リアルイベントで取り置き本をやりとりする際に、ファンとのコミュニケーションが楽しめるのがトリオキニの魅力の一つ。

大規模なリアルイベントがなかなか開催されない今だからこそ、トリオキニを活用して在庫リスクを減らし、中小規模のイベントで交流を楽しむのもいいですよね。

トリオキニ


まとめ

同人誌の受注生産は、同人活動の中では避けるべきことと考えられてきました。

しかし、コロナ禍でリアルイベントの開催が少なくなっている今こそ、在庫リスクを減らすための試みを取り入れて、同人ライフをより楽しみたいですよね。

通販であればBOOTHやライブラをうまく使えば、オンラインでの受注生産が可能になります。またリアルイベントでの交流を大切にしたいなら、事前に取り置き希望数がわかるトリオキニを活用してみましょう。

のびのびと同人活動を楽しむために、今回ご紹介したサービスをぜひ使ってみて下さいね!

この記事を書いた人

原野 真里菜

原野 真里菜

小説書きでツイ廃。一日140字10ツイートできるけど一日1,400字書けないのが不思議。ツイートしてると原稿は進まない。体力づくりのため筋トレを始めた。