同人活動に確定申告は必要なのか?徹底解説!

同人活動をしている作家さんの多くが、趣味の範囲で同人誌や同人グッズを制作し、イベントなどで頒布しています。仕事としての活動ではないため、どうしても会計管理が不得手という人が多いようです。

トリオくん
トリオくん

年末だから確定申告の準備が必要なんだっけ?でも正直、自信がないなあ。

宮川 梨華
宮川 梨華

面倒かもしれませんが、きちんと手続きしておかないと後が大変です。この機会に、しっかり学んでおきましょう!



同人活動をしていても確定申告が必ず必要というわけではありません。今回の記事内容を参考に、どのようなケースで申告が必要なのか、注意点と合わせて具体的に解説します。




確定申告とは何なのか?

確定申告とは何なのか?
確定申告とはそもそもどういった制度なのでしょうか。今まで確定申告をしたことがない人にとっては

  • 申告はどこに対して行うのか
  • 何のために行うものなのか
  • 具体的な手続きの流れはどうすればいいのか



など、おそらく分からないことだらけですよね。まずは制度の内容について、全体像の理解から始めていきましょう。

1年間の収支を元に所得税を申告する制度

確定申告とは、1年の間に何かしらの収入を得た人を対象に、年間の収入や経費、所得を洗い出して、所得税の金額を算出し、それらをまとめて税務署に申し出る制度のことです。

トリオくん
トリオくん

経費って何だろう?所得と収入はどう違うの?

宮川 梨華
宮川 梨華

そこは混乱しやすい部分だと思います。くわしく説明しますね!



収入とは、いわゆる売上を指します。同人活動でいえば、同人誌やグッズを頒布して得たお金のことですね。

経費とは、活動を行う際に必要となるお金のことです。同人活動の経費としてはどのような内訳が認められるのかについては次のパートで具体例と合わせて解説します。所得は、収入から売上を差し引いた金額です。

税金の計算は、収入ではなく所得を基準にする点には注意しましょう。

トリオくん
トリオくん

収入と所得の違いって、ちょっと分かりにくいね。

宮川 梨華
宮川 梨華

収入がある程度ある場合でも、経費の額次第では、所得がゼロというケースもありえます。この考え方は、必ず押さえておきましょうね。



住民税の申告方法には要注意

住民税の申告方法には要注意
確定申告で申告する税金は、国の税金である所得税です。都道府県や市区町村に支払う税金、つまり住民税の申告とは異なる点に注意しましょう。

  • どちらも前年度の所得を基準として計算する
  • 確定申告を行った場合、申告内容をもとに住民税が自動的に計算される



上記のような特徴から、所得税と住民税の申告はしばしば混同されがちです。しかし、確定申告が仮に不要だとしても住民税の申告は別途必要な場合があります。


同人活動で得た収入を確定申告せずにすむケースとは

同人活動で得た収入を確定申告せずにすむケースとは
同人活動で収入を得ていても、場合によっては確定申告が不要という場合があります。

  • 会社勤めで所得が20万円以下
  • 同人活動の収支が赤字



上記の2つのケースについて、具体的な事例を含めてお伝えしていきます。

会社勤めで所得が20万円以下

会社勤めで所得が20万円以下
確定申告が必要となる基準の一つが、20万円という所得額です。会社勤めの人が同人活動で副業収入を得ている場合、20万円以下の所得なら確定申告はしなくても問題ありません。

ここで対象としているのが、収入ではなく所得という点には注意が必要です。

所得=収入(同人誌やグッズなどの売上)-経費(イベント参加経費など)

この公式を頭に入れた上で、自分が確定申告をすべきかどうかをチェックしてみましょう。

同人活動の収支が赤字

同人活動の収支が赤字
会社員やアルバイトなどからの収入が特にない人は、同人活動の収入が本業扱いになります。その場合でも、所得がゼロ以下、つまり赤字であれば確定申告は必要ありません。

個人事業として同人活動を行っている場合は、青色申告という方法をとることができるため、赤字でも確定申告をするメリットがあります。赤字分を翌年に繰り越せるため、次年度に所得が増えた場合に赤字と差し引きして、節税対策ができるためです。

青色申告ができるのは事業所得として勘定できる場合だけですので、それ以外は赤字での確定申告は不要です。事業所得の勘定については、後で解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。


収支の計算方法とは:利益と経費の考え方

収支の計算方法とは:利益と経費の考え方

トリオくん
トリオくん

収入と経費の考え方はわかったけど、帳簿の付け方が苦手で…

宮川 梨華
宮川 梨華

会計管理にはちょっとしたコツがあるんですよ。簡単に取り組める方法をお伝えしますね。



同人活動の中で収支を計算する際のポイントをまとめました。

売上の計算方法

同人活動の売上は、基本的に次の式で表すことができます。

収入(売上)=同人誌やグッズの単価×頒布した個数

とはいえ、頒布した数を全てメモしておくのは大変ですよね。特に同人イベントに出展した場合は、途中でメモが追いつかなくなるケースもありますよね。

そのような場合は、イベントに搬入した総数を記録しておき、終了後の個数と比べて売れた個数を算出するとよいでしょう。1年の終わりには、同人誌やグッズを棚卸しして、頒布した個数を確認するのがおすすめです。

この場合、同人活動の収入は次のように算出します。

収入(売上)=同人誌やグッズの単価×個数(制作したトータル個数-残数)

同人活動の経費として認められる範囲

同人活動の所得を計算する際には、どのお金が経費になるのかを知っておく必要があります。同人活動の収入を作るために明らかに必要と思われる費用であれば経費として認められます。具体的には、次のような項目の支出が当てはまります。

  • 仕事場の家賃や電気代やガス代、水道代、インターネット代
  • 文房具や画材代
  • イベントに参加するための交通費や宿泊代
  • 同人誌を作成するために必要な資料や書籍の代金
  • 同人誌やグッズの制作費や搬入費用
  • イベントブースに貼るポスターや配布するノベルティの制作費用
  • 同業者への差し入れ代や懇親会費用



<参考>
同人誌作家の確定申告のやり方を徹底解説!していないとどうなる?(MoneyFowardクラウド会計)

収支記録の保管を忘れずに

上記のような支出を経費とするためには、必ずレシートや領収書を保管しておく必要があります。合わせて、何のために使ったお金なのか、具体的な用途もメモしておきましょう。

この経費の記録は、確定申告が不要な人も残しておくことを強くおすすめします。収支の記録を残しておけば、万が一税務署から調査が入った場合でも、脱税をしていない証拠になるので安心です。


同人活動の利益を確定申告する際のチェックポイント

同人活動の利益を確定申告する際のチェックポイント
同人活動の確定申告が必要な場合、1月1日から12月31日までの収入や所得をまとめ、翌年2月16日から3月15日までの間に手続きすることになります。

トリオくん
トリオくん

手続きの方法は、どうすればいいのかな。

宮川 梨華
宮川 梨華

日頃の帳簿をもとに、まずは確定申告書を作りましょう。確定申告ソフトを使っている人も多いですよ。



確定申告書の作り方は、所得の種類によって異なります。手続きの流れやポイントを解説します。

所得の種類を確認しよう

所得の種類を確認しよう
同人活動の所得は、基本的に「雑所得」もしくは「事業所得」どちらかに分類されます。会社員もしくはアルバイトなどからの収入が主で、同人活動の利益は副収入扱いであれば、基本的に「雑所得」の区分だと考えましょう。

もし同人誌作家を本業としていたりメインの収入が他にはなく同人活動の規模が一定以上だったりする場合は「事業所得」として申告できます。

「雑所得」と「事業所得」の申告の違い

雑所得と事業所得の最大の違いは、確定申告の方式として青色申告ができるかどうかです。事業所得であれば青色申告が可能となり、次のようなメリットを受けられます。

  • 最大65万円分の税制控除が受けられる
  • 赤字の繰越ができる(個人事業主なら最大3年可能)
  • 30万円未満の資産を一度に経費として計上できる



ただし青色申告を行うためには事前に所得税の青色申告承認申請書の提出が必要であり、税制控除を受けるために複式簿記での帳簿管理が必要となります。複式簿記は慣れない人にとってはハードルが高いかもしれません。

青色申告ができる人は、弥生会計やFreeeなど初心者でも扱いやすい確定申告対応の会計ソフトを使うと便利です。

そういったソフトであれば、専門知識がなくてもe-Taxで確定申告がスムーズにできる仕様になっています。青色申告ができない人でも、うまく活用すると会計管理の負担を減らすことができるでしょう。

確定申告は紙ベースでも可能ですが、最近ではオンライン上で行うe-Taxが主流になってきています。e-Taxでの申告を行う場合、16桁の利用者識別番号もしくは電子証明書と紐付けられているマイナンバーカードとカードリーダーのセットが必要です。

毎年コンスタントに申告するのであれば、マイナンバーカードを持っておいたほうが便利でしょう。

<参考>



利益が大きい場合は、平均課税制度の利用を検討

利益が大きい場合は、平均課税制度の利用を検討
同人活動の売上額は、その年の活動状況によって大きく異なります。そのため、売上額が多い年にはどうしてもたくさんの税金が課せられる可能性が高くなります。

そんな場合に節税対策として確認しておきたいのが平均課税制度です。平均課税制度とは、年によって収入額が大幅に異なる個人に対して、通常の税率より低い割合で税額を計算できる仕組みです。

この制度を利用すると、突発的に売上が多かった年の税金負担を少なくできます。ただし、この制度の利用には一定の条件があり、必要な書類も増えてしまうため、税制度の知識がない素人ではなかなか対応しきれません。

同人活動の所得が例年よりも明らかに増える見込みが高いのであれば、税理士や税務署にあらかじめ相談しておくことをおすすめします。

<参考>
一時的に収入が増えた方! 「平均課税制度」の検討を忘れていませんか?(ひかり税理士法人)


まとめ

同人活動である程度の収入が上がる場合、税金の問題は避けて通ることができません。早い段階から会計ソフトを使用し、収支を記録しておく習慣を身につけておくと、活動規模が広がっても税金関係の手続きが楽になります。

今回の記事を参考に、まずは以下の2点を押さえておきましょう。

  1. そもそも確定申告が必要な条件に当てはまっているか
  2. 申告する場合は、雑所得なのか事業所得なのか



1に当てはまっている人は、確定申告の期間内での手続きを忘れずに行いましょう。同人活動を思い切り楽しむためにも、今回ご紹介した確定申告の知識をぜひ活用してくださいね。

この記事を書いた人

宮川 梨華

宮川 梨華

ソシャゲが好きでコスプレ経験あり。課金は1万/月まで。最近はカラオケにいけずストレスがたまっているので、布団をかぶって熱唱することにした。