イベントに一般参加したり、ネット上で小説を公開するといった同人活動をしていると、自分の同人誌を作ってみたくなりませんか?自分が作る同人誌って、憧れますよね。しかし同人誌を作るとなると、作り方がわからないし難しそう!と躊躇している方もいるのではないでしょうか。

とくに同人小説に関しては、同人誌を制作する難しさに加えて、小説を書くという難しさも出てきます。そこで今回は、初心者でもできる同人小説の作り方を、詳しくご紹介します。

特にどうすればいいかと悩みがちな、「印刷会社に注文する小説本の作り方」を中心にお話していきますよ!本文の原稿の設定方法や、小説本の大きな壁になりがちな表紙の作り方などもわかりやすく解説しています。

これから小説本を作りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。自分だけのオリジナリティあふれる素敵な小説本を作って、同人活動をもっと楽しみましょう!






同人小説本の作り方は大きく分けて2種類

同人小説本の作り方は大きく分けて2種類
では、まず初めに小説本の作り方を決めましょう。本の作り方は大まかに2種類あります。


印刷・製本まで自分で行うコピー本

まずは印刷・製本まで全て自分で行うコピー本です。自宅のプリンターやコピー機などを利用して、表紙・本文用紙を印刷し、それをホッチキスなどで製本します。

コピー本は低コストで用意できる同人誌の形態なので、初心者でも気軽に作れるのがメリット。また簡単に増刷や再版がしやすいのと、自分で印刷・製本するので、イベント開催ギリギリまで作業できるというのも良いポイントです。


印刷会社で注文するオフセット・オンデマンド印刷の本

続いては、印刷会社に注文する作り方です。注文できるのはオフセット印刷とオンデマンド印刷の2種類。オフセット印刷は版を制作して印刷するため、版を作る時間とコストがかかりますが、繊細な表現が得意で綺麗な仕上がりになります。

オンデマンド印刷高性能のレーザープリンターで印刷する方法で、少数部の注文が可能でオフセット印刷よりも低コストで小説本が作れます。

以前は印刷会社に注文するのには最小部数が多くコストが高くなる傾向にあったので、初心者にはハードルが高いものでした。しかし、最近では少数部数での注文が可能になり、初心者でも挑戦しやすくなっています。今回は印刷会社で注文する小説本の作り方をご紹介していきます。



印刷会社を決める

印刷会社を決める
最初に印刷をお願いする会社を探しましょう!印刷会社はたくさんあり、かかる費用やサービスがそれぞれ違います。口コミなどを参考にしながら、いろんなところを見てみましょう。また入稿予約が必要なところがありますので、注文方法などについても事前に確認しましょう。

しかし、ホームページ上では、なかなか用紙や加工のイメージが湧かないこともありますよね。気になった印刷会社があれば資料請求をして、現物を確かめましょう。資料請求は理想の小説本作りにはとても重要ですよ!

そしてしっかり確認しておきたいのが、注意事項です。印刷会社によっては、印刷を断られるジャンルや内容があります。そのため、検討している印刷会社の注意事項は必ず目を通しておきましょう。

同人小説本も作成可能なおすすめの印刷会社については、以下のページで詳しくまとめていますのであわせてご覧ください。

おすすめ同人誌印刷所



本の仕様を決める

本の仕様を決める
では印刷会社を決めると同時に、本の仕様も考えましょう。同人誌のサイズや使いたい加工などを決めていきます。


おすすめの小説本のサイズ

注文できる本のサイズはさまざまありますが、小説本に向いているのはA5・B5・新書・文庫サイズです。手元にある同人誌を参考にしながら、本のサイズをイメージしましょう。


加工など装丁を考える

続いては本の印象を大きく左右する装丁を考えます。オリジナリティを出すなら、装丁にこだわりましょう。加工といっても種類はたくさん!印刷会社によって行っている加工やオプションが変わるので、いろいろと見て検討しましょう。



小説を書く

小説を書く
同人小説で一番大切なのは、中身です!本文を書かなければ始まりません。しかし、小説本を初めて作るときには、どうすればいいかわからないですよね。今回はWordでの作り方と、スマートフォンを使った作り方の2種類をご紹介します。


Wordでの作り方【ページ設定】

小説を書くときによく使われるのはWordです。小説本に適したWordのページ設定をご紹介します。


用紙の設定

ページ設定の「用紙」タブから「用紙サイズ」を指定します。原稿サイズは印刷会社によって原寸のままや、原寸+塗り足し3mm~5mmと指定している場合があります。

塗り足しとは、製本すると断ち落とす部分のことで、ページの端まで印刷したい場合に必要になる部分です。もし塗り足し部分がないと、ページ全体に色がついている場合に白いフチが出てきてしまうので注意しましょう。

小説本は端まで印刷することは少ないかもしれませんが、イラストページを挿入したりする場合には、白いフチが出ないようにしっかりと設定します。

サイズ 原寸 塗り足し+3mm 塗り足し+5mm
A5 148×210 154×216 158×120
B6 128×182 134×188 138×192
新書 106×173 112×179 116×183
文庫 105×148 111×154 115×158



文字方向の設定

「文字数と行数」タブから、縦書き・横書きを選びます。


段落の設定

「文字数と行数」タブの、文字方向の下に設定するところがあります。2段にしたいときは「2」と設定しましょう。


文字数と行数の設定

「文字数と行数」タブから、「文字数と行数の指定」で変更できます。「文字数と行数を指定する」を選ぶと、文字数と文字間隔の設定「字送り」と、行数と行間隔の設定「行送り」を変更できます。

文字間隔や行間隔が狭いと読みにくくなるので、全体像を確認しながら設定しましょう。本文を書き上げてから調整してみてもいいかもしれません。


フォントの設定

「文字数と行数」タブの下「フォントの設定」から文字の種類や大きさが設定できます。フォントの種類は好みのものを選びましょう。しかし印刷会社によって印刷できないフォントがあります。事前に確認しましょう。

フォントサイズは8~10がおすすめ。書き上げてから、全体を見て調整するのもありです。


余白の設定

「余白」タブで余白の設定をします。余白サイズは15mm~20mmが読みやすくておすすめです。「とじしろ」はページ数が多くなるときに設定しましょう。また「複数ページの印刷設定」を「標準」→「見開きページ」へ変更します。


ノンブルの設定

ノンブルとはページ数のことです。入稿の際には必要になるので、忘れずに設定しましょう。「挿入」→「ヘッダーとフッダー」→「ページ番号」で設定が可能です。ページ上部、下部など、好きなところに設定します。

ページ数を「3」から始めたいときは、「ページ番号の書式設定」で「連続番号」の部分から設定できます。


テンプレートを使うのも◎

印刷会社によっては、ホームページでWordのテンプレートを公開しているところもあるので、活用しても良いでしょう。注文しようと思っている印刷会社にテンプレートがない場合は、他のところのテンプレートをダウンロードして、細かい設定を変更するといいかもしれません。

いまいち設定がわからない…という方は、印刷会社のテンプレートを探してみてください。


スマートフォンでの作り方

同人誌はパソコンがないとできないと思われがちですが、スマートフォンを使って作ることもできます。以下では2種類の方法をご紹介します。


縦式での作り方

まず初めに「縦式」という、縦書きでテキストが書けるアプリを使った作り方です。こちらはiPhone・iPad専用アプリになりますので、ご注意ください。「縦式」は実際の仕上がりに近い見た目のまま本文を作成できるのが良いポイントです。

文字数やフォント、用紙サイズや余白などの細かい設定は出力設定できます。完成したらファイルをPDFで保存すれば、原稿の完成です!


Pixivでの作り方

続いてはブラウザ版「Pixiv」を使った作り方です。イラストや小説の投稿や閲覧を楽しめるコミュニケーションサイト「Pixiv」ですが、こちらにはファイルをPDFで保存ができる機能があるんです!

web再録本を作りたいときに使うのも良さそうですね。ただし、一般会員がPDF化できるのは冒頭4ページのみ。全文PDF化するにはプレミアム会員に登録する必要があります。

またPDF化するにあたって奥付も作成可能なので、わざわざ奥付ページを本文に用意する必要がありません。

Pixivでの作り方は、以下の通りです。

  1. Pixivを開き、左上のメニューから「投稿する」→「小説」を選んで、本文を作ります。
  2. メニューから「作品管理」を選択し、同人誌にしたい作品の「PDFにする」というボタンをタップ。
  3. 「PDF書式設定」画面で出力サイズやフォントサイズなどを選びます。「PDFに変換」をタップすると、プレビュー画面になります。プレビュー画面を見ながら細かい調節を行います。前画面に戻って設定しなおして、納得のいくデータに仕上げましょう!
  4. 調整し終わったら、表示されたページを保存します。



奥付を忘れずに作る

本文の他に作らないといけないのが「奥付」です。同人小説を発行するにあたり、本の責任の所在を明確にするためのものです。発行日や発行者、印刷会社などを記載します。奥付がないとイベントで頒布できないこともあるので、忘れずに奥付を作りましょう。


表紙の作り方【Canvaを使用して1から自分で作る場合】

表紙の作り方【Canvaを使用して1から自分で作る場合】
本文ができたら、次は表紙の作成です。しかし文字書きさんにとっては高い壁だと思います。そこでイラストやデザインが苦手でもできる、「Canva」という画像編集アプリを使った表紙の作り方をご紹介します。

表紙を作る際はCanva内の無料テンプレートを使用しても良いですし、配布・販売されている画像をCanvaで編集することもできます。なおCanvaはパソコンでもスマートフォンでも使用可能です。

①原稿サイズを計算する

まず初めに表紙の原稿サイズの計算をします。それには表紙と背幅(背表紙の幅)のサイズが必要です。背幅の計算式は以下の通りです。

(表紙用紙の厚さ×2)+(本文用紙の厚さ×本文ページ数÷2)=背幅

印刷会社のホームページには背幅の計算ツールを公開している所もあるので、そういったものを活用すると楽に計算できます。

背幅がわかったら、次は表紙原稿のサイズの計算です。表紙サイズに背幅を追加し、さらに塗り足し部分を足すとサイズがわかります。例えば文庫サイズの表紙で背幅が5mmで塗り足し+3mmの場合は、以下のようになります。

横:105×2mm+5mm(背幅)+6mm(塗り足し)
縦:148mm+6mm(塗り足し)


②Canvaで原稿サイズを設定する

Canvaを開き、「画像サイズの指定」で計算した原稿サイズを入力します。単位はmmにしましょう。


③画像の貼り付け、タイトル入れ

小説本の表紙にしたい画像を貼り付けて調整します。画像の中央を、Canvaの「素材」の「ライン」を使ってざっくり把握してから、文字を入れます。Canvaは素材を動かすと自動でガイドが出てくるので、中央を簡単に見つけられます。

「テキスト」で好みのフォントを探して、タイトルや入れたい文字を入れます。表紙は左側部分になるので、タイトルは中央より左側に入れましょう。


④画像を保存する

表紙が完成したら、画像をPDFで保存します。もし完成した表紙の画像を2倍、4倍に拡大したときに荒いと感じたら、原稿サイズを縦横共に2倍で表紙を作成し、そのあと本来の原稿サイズに貼り付けると、綺麗な画像になりますよ。



表紙を作るのが難しいときは?

表紙を作るのが難しいときは?
アプリを使った表紙の作り方についてご紹介しましたが、やっぱり難しいと感じる方もいらっしゃると思います。そういうときは以下の方法を検討してみてください。

  • 友人や絵師さんにお願いする
  • 印刷会社の表紙デザインのサービスを利用する
  • 「ココナラ」や「SUKIMA」で表紙作成を依頼する




注文・入稿

注文・入稿
原稿が完成したら、続いては注文と入稿です。割引やキャンペーンなどが使えることもありますので、ホームページをしっかりと読んでお得に注文しましょう!また入稿するときは、必ず対応ファイルを確認しましょう。

印刷会社によって対応ファイルが違い、Wordは不可な場合もあります。そのときにはPDFへの書き換えが必要です。


WordからPDFへの変換方法

Wordを開き、「ファイル」から「名前を付けて保存」を選びます。「ファイルの種類」を「Word文書」→「PDF」に変更して、「保存」をクリック。一度内容を確認してから、不備がなければ入稿しましょう。


入稿前には必ず確認!

入稿前には原稿に不備がないかを必ず確認しましょう。どの印刷会社も、不備のない完全入稿が基本。もし不備あると確認作業を行うことになり、印刷会社に迷惑が掛かってしまいます。完璧な状態で入稿しましょう!



納品

納品
入稿が終われば、あとは小説本の納品を待つのみ。納品の方法には大まかに3種類あり、印刷会社によって配送方法が違いますので、用途にあった方法を利用しましょう。


自宅受け取り

できあがった本を自宅に送ってもらう方法です。イベントに参加予定がないときや、自分で通販を行う場合などに使います。


イベント会場への直接搬入

直接搬入は、イベント会場の自分のサークルのスペースに小説本を運んでもらう方法です。自分で本を運ぶ必要がないため、当日の荷物が少なくて済むのが良いポイントです。直接搬入を利用する際は、印刷会社にイベント日やスペースNo.、サークル名を予め伝えておく必要があります。

出来上がりをイベント当日に会場で見ることになるので、どんな仕上がりになっているかはイベント当日のお楽しみ。印刷会社によっては見本誌を自宅に配送してくれるサービスをしているので、事前に仕上がりを確認したいときはそういった会社を選ぶと良いでしょう。


イベント会場への宅配搬入

宅配搬入とは、印刷会社がイベント会場に本を発送してくれる方法です。直接搬入と違うところは、イベント会場の指定の場所に送ってくれるという点です。自分でその場所まで取りに行かないといけません



まとめ

憧れの同人活動の1つである小説本の作り方について、詳しくご紹介しました。また文字書きさんが同人誌を作るときに困る、表紙の作り方についても細かく解説しました。

印刷会社で注文する小説本の作り方は難しいと感じる方も多いと思いますが、1度挑戦してみれば本を出す楽しさを味わえますよ!今は少ない部数で安く作れるようになったので、昔よりも小説本を作るハードルは低くなっています。

さらにスマートフォンさえあれば作れるので、さらに挑戦しやすくなっていますよ。ぜひ小説本を作って、さらに充実した同人活動をしましょう!

この記事を書いた人

原野 真里菜

小説書きでツイ廃。一日140字10ツイートできるけど一日1,400字書けないのが不思議。ツイートしてると原稿は進まない。体力づくりのため筋トレを始めた。

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