イベントなどで同人誌を手に取るときの大事なポイントのひとつが表紙です。
表紙がぱっと目を引くデザインだと、好みのジャンルの同人誌ではなかったとしても思わずチェックしてしまいますよね。
イラストやマンガの本であれば自分で表紙絵を描くことがほとんどですが、小説の同人誌の場合はデザインに悩むことも多いでしょう。
そんなときの強い味方が写真やイラストなどのフリー素材サイトです。
デザイナーに頼む余裕がないときでも、おしゃれなフリー画像やイラストをうまく活用すれば、おしゃれな表紙を作ることができます。
同人誌の表紙にフリー素材を用いる場合の注意点やおすすめサイトについて、まとめました!
目次
同人誌の表紙にフリー素材を使う際のポイントとは?
同人誌の表紙にフリー画像やイラストを用いる際には、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。
後でトラブルになるのを防ぐためにも、同人誌の表紙を制作する前に押さえておくべきポイントを確認していきましょう。
商用利用OKの素材を選ぼう
フリー素材には個人利用のみ可能なものと商用利用が許可されているものの2種類があります。
「同人誌に使うなら個人利用ではないか?」と思われるかもしれませんが、価格をつけて本を頒布する以上、表紙に使っている画像やイラストは商用利用OKであることが前提となります。
なかには、Webでの利用のみ商用OKとし、印刷物に用いる場合は要問合せといったルールを設けているフリー素材のサイトもあるので、紙媒体での商用利用が可能かどうかをFAQなどで確認しておくとよいでしょう。
被写体の権利が関係する写真は要注意
使いたいフリー画像に人物や有名な建物が大きく映っている場合は、被写体の権利についても配慮する必要があります。
たとえば、人物が映っている写真はモデル側の意向で商用利用に制限が設けられているケースがあります。
モデルリリース取得済みの写真であれば基本的に問題はありませんが、同人誌の表紙に使う場合は人物の品位やイメージを損なわないように注意が必要です。
また歴史的建造物や神社仏閣などのランドマーク的な建物については、建物の所有者が建物に関する権利を持っています。
それらの建物が映っている写真を同人誌の表紙に使いたい場合は、権利者からの許諾を得ているという証明としてプロパティリリースを取得している画像から選ぶとよいでしょう。
利用規約に目を通して、不明点は問い合わせを
フリー素材を提供しているサイトには必ず利用規約があります。利用規約については、必ず事前に細かく目を通しておくことをおすすめします。
たとえば、R-18作品の同人誌の表紙にフリー画像やイラストを使いたいと考えても、規約で禁止されているケースが多く、知らずに使ってしまうと後々トラブルになる可能性があります。
フリーの画像やイラストを利用するにあたっては各サイトの規約を守り、不明な点があれば利用前に問い合わせておきましょう。
写真系フリー素材おすすめサイト5選
同人誌の表紙に使おうとフリー画像のサイトを探しても、印刷物での商用利用が可能かどうかなどいちいちチェックしていくのは大変です。
そこで印刷物でも商用利用OKのフリーの写真を提供しているサイトを5つ、ピックアップしてご紹介します。
利用規約は変わることもあるので利用前に確認する必要はありますが、同人誌の表紙を作るときにぜひ今回ご紹介するサイトを参考にしてみて下さいね。
写真AC
写真ACは、国内の中では写真の掲載数がトップクラスのフリー素材サイトです。
画像のダウンロードには会員登録が必要とされており、無料会員と有料のプレミアム会員かを選ぶことになります。無料会員の場合は次のような制限がついてきます。
- 検索制限1日5回まで
- ダウンロード制限1日9点まで
- ダウンロードの待ち時間が15秒発生する
- まとめてダウンロード機能が使えない
- 一部、有料会員以外はダウンロードできない素材がある
大量の画像を使うのでなければ、無料会員の範囲でも十分に使用できるでしょう。ダウンロードした写真に加工を加えても問題ありません。
モデルリリースやプロパティリリースについてはダウンロード画面に表示されるので、同人誌の表紙に使用して問題ないかを事前に確認できます。
ただし規約上、R-18作品の同人誌の表紙には写真の使用ができません。
写真AC
ぱくたそ
ぱくたそも、数々の高品質な写真を取り扱う商用利用OKのフリー素材サイトです。ダウンロード後の画像加工も許可されています。
全ての写真が登録カメラマンによって撮影・提供されているので画像の品質が高く、個性的な写真も多いのが特徴です。
会員登録なしでも完全無料で利用でき、ダウンロード数にも制限がないため、サイトの使いやすさにも定評があります。
また、全ての写真において人物のモデルリリースが取得できている点は非常に安心できます。
ただし、次の点には注意が必要です。
- 人物以外の被写体の権利については確認されていない写真もある。
- R-18ジャンルでの使用が規約で禁じられているため、同人誌の内容によっては使用不可。
O-DAN
O-DANは、海外41サイトに掲載されているフリー素材の写真を横断的に検索できるサイトです。
海外のフリー素材サイトの場合、英語でないと検索できない仕様も多いのですが、O-DANの検索システムは日本語に対応しており、自動的に英語翻訳されたワードで結果が表示されます。
「商用利用可の無料写真素材のみ」という項目のチェックが検索時にデフォルトでついているので、チェックを外さなければ商用利用OKの素材のみがヒットします。
O-DANで検索できる41サイトのうち、写真の掲載数が多く使いやすいのはPixabay・Unsplash・Pexelsの3つでしょう。
それぞれのサイトの特徴と規約上の注意についてまとめました。
【Pixabay】
- 100万点を超える写真素材を扱っており、イラストやベクターデータもある。
- 会員登録なしでサイト利用可能。ダウンロード後の著作権表記不要。加工もOK。
- R-18作品への使用は規約上NG。
【Unsplash】
- おしゃれな写真素材が多く、全て商用利用OK。
- 会員登録不要。写真の加工も問題ないが、自分の素材としての再配布は原則禁止。
- R-18作品への利用を禁じる規約はないが、被写体や写真家からのクレームが起こる可能性はあるため加工などの配慮が必要。
【Pexels】
- CC0(クリエイティブコモンズゼロ=いかなる権利も保有しない)ライセンスの写真素材が揃う。
- 会員登録不要。ダウンロード後の写真素材の加工もできる。
- R-18作品への利用を禁じる規約はないが、被写体や写真家からのクレームが起こる可能性はあるため加工などの配慮が必要。
日本のサイトではあまり見かけないようなテイストの写真も多いので、ぜひ活用してみて下さいね。
O-DAN
無料写真素材館
無料写真素材館は「有料のフォトストックにも負けないクオリティ」をコンセプトにしたフリー素材サイトです。
カメラマンが撮影した解像度の高い素材が多く揃っているので、印刷物にも使いやすいのが利点と言えるでしょう。
人物写真以外であればアダルトジャンルでも使用可と規約に明記されているサイトなので、R-18作品の同人誌の表紙に使う素材に困った時はぜひ活用してみて下さいね。
無料写真素材館
フォトック
フォトックは高解像度の写真を会員登録なしで商用利用できるフリー素材サイトです。
個人で運営されているサイトなので掲載数は多くありませんが、自然風景や動物、飲食物などの被写体に権利者が存在しない写真であればR-18作品でも使用を許可されている点はありがたいですね。
フォトストックで提供されている素材の人物やナンバープレートなどにはぼかし加工が入っている場合があります。
また、被写体の権利についてはサイト側では一切取っていないと記載されていますので、フォトストックの写真を同人誌の表紙に使う場合は、権利関係がからまない素材を選ぶとよいでしょう。
フォトック
イラスト系フリー素材おすすめサイト5選
同人誌のテイストによっては、表紙にイラストを使いたいという場合もあるでしょう。
自分で描いたりイラストレーターとコラボしたりといったことが難しい場合に、イラスト系のフリー素材サイトの利用も視野に入れておきましょう。
ただし、フリーイラストのサイトは写真サイト以上にR-18ジャンルでの利用をNGとする傾向が強いため、利用規約には注意が必要です。
商用利用OKで印刷物にも使えるフリーイラストのサイトを5つ、参考としてご紹介します。
イラストAC
イラストACは、写真ACと同じ会社が運営している国内最大手のフリーイラストサイトです。
写真ACと同じく会員登録が必要で、無料会員と有料会員とに分かれています。無料会員だと検索回数やダウンロード回数などに制限がつくのも同様です。
ダウンロードできるイラストの形式はJPG形式やPNG形式のほか、イラストレーターで加工できるAi形式でのダウンロードもできます。
JPG形式やPNGや形式であれば、ダウンロード時に簡単な編集をWeb上で加えることもできるので、ぜひ活用してみましょう。
提供素材に関して、あらゆる画像加工や編集が許可されていますが、R-18作品の表紙には規約上使うことができません。
イラストAC
素材Good
素材Goodは会員登録無しで利用できるフリーイラストサイトです。同人誌の表紙にも使いやすい様々なフレームも提供されています。
ダウンロード形式はJPG・PNG・Aiの2種類。ダウンロード数にも制限がないため、いろいろなイラストを見比べたいときには便利です。
素材の色変更や分解、編集は自由ですが、トレースや模写については利用規約で禁じられています。
また、R-18作品には素材を使用することができません。
素材Good
ガーリー素材
ガーリー素材は、やわらかなテイストのイラストやフレームをそろえたフリーイラストサイトです。
JPGやPNGのほか、EPSとSVG形式のデータを取り扱っているのが大きな特徴です。
EPSは紙印刷向きの形式ですので、フォトショップやイラストレーターなどで加工する人はEPS形式でダウンロードするとよいでしょう。
同人活動に使う場合はR指定関係なく使用してもよいと利用規約に明記されているので同人誌の表紙を作るときには非常に便利なサイトです。
R-18作品を手掛けることが多い人はぜひチェックしておきましょう。
ガーリー素材
ストックマテリアル
ストックマテリアルは、ポップでカラフルをテーマに制作されたフリーイラストを提供しているサイトです。
提供形式は高解像度のPNGのみ。ダウンロード数や使用可能な数に制限がなく、会員登録不要で使えます。
色変えや一部加工は可能ですが、提供しているイラストの印象を大きく損ねる加工はNGとされています。また、R-18作品への使用は規約で禁止されています。
ストックマテリアル
ULOCO
ULOCOは様々なパターンの背景素材を提供しているフリー素材サイトです。
和柄やチェック、ベイズリー、ボタニカルなど様々な柄のイラストが用意されているので、同人誌の表紙をシンプルな柄でデザインしたいときにおすすめです。
配色の変更など自由に改変・編集を加えることができますが、R-18作品への使用はできません。
ULOCO
まとめ
同人誌の表紙を決める際に、フリーの画像やイラストをうまく活用できるとデザインの幅が広がります。
今回ご紹介したのはいずれも商用の印刷物にも使用できるサイトばかりなので、ぜひ作品のイメージに合った素材を使って同人誌の表紙作りを楽しんで下さいね。
フリー素材ではなく自分で直接絵師さんなどに表紙を依頼してみたいという方はこちらの記事を参考にしてください。
同人誌の表紙を依頼する際の手順とポイント3つ