同人活動において、誰もが一度は憧れ、ドはまりする方も多いのがグッズ制作です。推しや推しジャンル・世界観を、自分のセンスを注ぎ込み、世界にひとつだけのモノとして持ち歩いたり使ったり、誰かと共有することには、同人誌制作とはまた違った楽しさがあり、情熱が生まれています。
最近では、個人のグッズ制作需要の高まりを受け、小ロットから印刷・制作をお願いできる印刷所も増えています。そこで今回は、同人グッズの印刷について、作り方や注意事項・おすすめの印刷所をご紹介していきます!
「同人グッズ作りに憧れるけど、作り方が複雑そう…」
「気をつけなきゃいけないことが多くてハードルが高そう…」
と、二の足を踏んでいる方も、初めてのグッズ作りにあたって、是非参考にしてみてくださいね。
目次
同人グッズを作るときの流れを5つのステップで解説!
まず、同人グッズを作る前に、どのような流れで制作を行っていくかを確認していきましょう。作る物や個数にもよりますが、どのくらいのスケジュール感を持って作っていくべきか、イメージをつかんでおくと進めやすいですよ!
ステップ1:自分の作りたいグッズを決める
初めに、言うまでもないことですが、自分の作りたいグッズを決めるのが先決!個人が制作を依頼できる同人グッズも、近年ますますバリエーションが増えています。
作りたいもので迷ったら、何のためにグッズを作りたいか再確認してみましょう。新刊のノベルティとしてたくさん印刷して配りたいのか、自分や親しい友人のために、毎日使うものを印刷したいのか、目的に合わせて制作物を選ぶのがポイントです。
ステップ2:作りたいグッズが作れる印刷所を探す
作りたいものが決まったら、印刷してくれる印刷所をリストアップ!印刷所によって、扱いのあるグッズと、ないものがあります。
まずは、作りたいグッズ印刷を請け負っている印刷所がどれくらいあるか探してみましょう。時期によっては、グッズ制作をしやすいキャンペーンやフェアを組んでくれている場合もあります。
ステップ3:必要な分だけ作れるかロット数を確認
印刷所をリストアップしたら、料金の比較はもちろん、自分が作りたい量に対応して印刷してくれるかどうか、最小ロット数を確認しましょう。
最近では小ロットに対応してくれる印刷所さんは増えてきていますが、10~20個といったコンパクトな数量でも印刷してくれるかどうかは確認しておきたいですね。また、小ロット可の場合でも、一定個数以上の印刷・制作する場合、よりお得になる価格設定である場合もあります。
ステップ4:締切を確認
同人誌制作と同じく、気になるのは締切ですよね。こちらも各社によって設定が異なります。また、早く入稿することでお得になるフェアが組まれている場合もあります。ご自身のライフスタイル・制作スタイルに合ったスケジュールで入稿できる印刷所を見つけられると、今後の創作活動が楽になります♪
ステップ5:必要なデータを作成して印刷所へ入稿
印刷所を選んだら、いよいよデータを作成して入稿準備。多くの場合、印刷所のWEBサイトからデータのテンプレートが配布されています。そちらをダウンロードして、規格に合った形でデータを作成しましょう。
印刷した際にレイアウトが崩れてしまわないよう、画像や文字情報が埋め込まれているか。きれいに印刷するために必要な「塗り足し」の部分まで印刷のデータを作れているか。
カラーで印刷する場合は、実際に印刷された仕上がりと、画面上での印刷のデータの違いを少なくできるよう、カラーモード(RGB・CMYK)の規定にも注意が必要です。
印刷所のサイトなどで公開されているガイドライン・マニュアルなども参考にしながら、こだわりの入稿データを作成しましょう!
同人グッズを作るときの注意事項
同人グッズを作るときには、作成手順の他にも押さえておきたい注意事項があります。大好きな作品の作者や提供企業に健全な利益が回り、マナーを守ったファン同士で楽しく同人活動を続けるためにも、きちんと理解しておくことが重要です。
「とにかく、ダメということになっているから」ではなく、なぜルール違反とされているのかを理由から理解し、ご自身の納得を持って行動できるようになると安心ですね。
同人グッズ=二次著作物ってそもそも作ってもいいの?
著作権とは、著作物を作った人(=著作者)の利益を守るための権利です。著作者の創作物=原作だけでなく、それらを元にして創られた同人誌やグッズも「二次的著作物」となります。二次著作物=二次創作での同人グッズを制作・印刷して頒布する場合、本来であれば、著作者へ許可を取る必要があります。
ただし、著作権についての法律は「親告罪」となっています。本来であれば許可されていない同人グッズは問題視される可能性がありますが、現状は作品の盛り上がりやファン同士の交流の一環としておおむね「黙認」されている状態であることが多いようです。
著作権を持っている原作者や企業が問題視して訴えなければ、起訴されたり罰則を科されることはありません。二次創作を楽しみ、原作をもっと応援していくためにも、以下のNG項目には特に注意して制作しましょう。
メーカー公式の二次創作ガイドラインを違反している同人グッズはNG
メーカーや出版社など、原作を提供している企業の定めている規約に違反している同人グッズ制作はNGとなります。多種多様な形態の同人活動がますます盛んになる中、企業が公式に二次創作のガイドラインを設けることも増えてきています。
自ジャンルでのグッズ制作を考えたときは、まず公式の二次創作ガイドラインがないか確認しましょう。
公式ロゴを使うのはNG
ロゴは商標であるため、「商標権」が関わってきます。親告罪にあたる著作権と異なり、商標権の侵害は刑事事件となります。
作品への愛情やファンとしてのこだわりという意図であっても、法律違反となってしまっては、全ての人にとって悲しい結果しか生みません。公式ロゴはグッズ制作に使用しないよう気をつけましょう。
公式のグッズに似ているものはNG
同様に、公式から展開されているグッズに過度に似せたグッズも制作を控えましょう。例えば、公式グッズの模造品を制作し安価で販売しているとみなされた場合、企業の利益を損なう行為として対応せざるを得なくなってしまうかもしれません。
個人が罰則を受ける可能性は勿論、ジャンルでの二次創作や同人活動が正式に禁止されることもありえます。あくまでファンによる、個人の趣味の範囲内での創作活動として、節度を守って楽しみましょう。
即売会でよくみる同人グッズ
さて、同人グッズを制作する手順や、気をつけておくべきポイントを押さえたら、あとは自分のパッションのほとばしるままファンメイドを楽しみましょう!
「グッズって例えばどんなものがあるの?」「最近どんなものが作られているの?」という方のために、同人グッズのバリエーションの一部をご紹介していきます。
安価で作りやすく初心者向け!ポストカード、コースター
初めて同人グッズ制作に取り組む方でも作りやすいのが、ポストカードやコースターといったグッズです。入稿データが比較的シンプルで作りやすいこと、またかさばらず在庫管理もしやすいのが嬉しいですね。
色数にもよりますが、個数あたりの制作単価が安価であることも、初心者さんにおすすめのポイントです。
定番で安定の人気!キーホルダー、缶バッチ
定番の同人グッズとして、キーホルダーや缶バッチには安定した人気があります。お渡しした方がイベント会場などで身に着けてくれることもあり、グッズ制作の醍醐味を十分に味わうことができるでしょう。
こちらもかさばらず在庫管理が容易ながら、カラー印刷でクオリティにこだわることもできます。
学校や会社でつかえる!クリアファイル、マスキングテープ、メモ帳
ご自身や知人が毎日手元において使えるグッズを作りたい場合は、やはり文房具が一番ではないでしょうか。デザインや物によっては、学校や職場で実際に使えるグッズに仕上げることも可能です。
クリアファイルやメモ帳といった定番のものから、最近ではマスキングテープの制作も増えてきています。自分のこだわりと愛情をこめたグッズで生活を彩りたい方におすすめです。
実用的で需要も高い!スマホケース、ポーチ、バッグ
生活を彩る同人グッズで、より予算に余裕がある場合は、スマートフォンケースやパスケースの制作もおすすめです。数か月から1年単位で大切に使えるアイテムになり、材質やデザインにも一層こだわって作れるのが嬉しいところ。
布製のポーチやバッグであれば、比較的気軽に作ることができます。
小ロットでも同人グッズが作れるおすすめの印刷所を4つご紹介
ここからは、小ロットからでも気軽に同人グッズを作れるおすすめの印刷所をご紹介していきます。それぞれ特色や得意分野があり、また印刷所によってはイベントに合わせてグッズ制作がお得になるキャンペーンなども展開してくれていることがあります。
公式サイトを調べて最新の情報をチェックしましょう!
ポプルス
ポプルスの強みは、何と言ってもグッズ制作を「1個」から対応してくれること。気軽に利用しやすい価格帯でありながら、印刷の仕上がりも綺麗と口コミも上々です。
マスク、ミスト名刺、透明しおりなど、他の印刷所さんでは中々見かけないようなグッズ制作ができるのもおすすめポイント。
ポプルスの詳細はこちら
プリントオン
同人誌の特殊装丁といえばここ!と評判のプリントオン。同人誌・グッズ制作初心者の方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
1個から注文が可能で複数デザインOKな「マイグッズ」、ノベルティにぴったりな「ノベルティグッズ」、シール・しおり等をプリントオンならではの特殊紙から選べる「ペーパーアイテム」、タペストリーなどイベントブースでも使用できる「ディスプレイアイテム」といった4つのカテゴリーを展開しています。
プリントオンはこちら
おたクラブ
東京都と大阪に実店舗を設けているおたクラブでは、実際に足を運んで店舗でグッズを制作することも可能です。小ロットにも対応してくれていますが、店舗での制作と、通常通りの宅配制作で最小ロットや価格が異なりますので、実際に公式サイトからチェックしてみましょう。
そして、おたクラブの強みは色の再現性。画面で作業している際の色彩と限りなく近しく仕上げてくれます。色にこだわってグッズ制作したいなら、是非一度調べてみるとよいでしょう。
おたクラブはこちら
アクリルグッズの達人
アクリルグッズの達人はとにかくアクリルグッズを、きれいに、小ロットで作りたい!という方におすすめの印刷所です。その名の通り、様々なアクリルグッズを基本的に1個から制作することができます。
アクリル専門をうたっているだけあり、他社では価格がかさんでしまう大きめのアクリルグッズでも、制作コストを抑えることができるのも魅力です。姉妹サービスに同様のコンセプトで「缶バッチの達人」もありますので、そちらもぜひチェックを。
アクリルグッズの達人はこちら
まとめ:理想の同人グッズを作る為に事前リサーチをしっかりしよう!
いかがでしたでしょうか? 各印刷所ごとに、強みを活かした様々なグッズ制作ラインが展開され、いっそうグッズ制作への間口は広がってきています。
注意事項はしっかり守った上で、ぜひご自身の情熱を注ぎ込み、世界にひとつだけの同人グッズを制作してみてくださいね。