今回は文庫本サイズの同人誌に興味がある方に向けて、メリットやデメリットを解説していきます!同人誌には様々な形式がありますが、いざ文庫本サイズの同人誌を作ろうと思っても「原稿の設定方法は?」「どこに印刷を頼めばいいのだろう?」など疑問がたくさんあるかと思います。
そこで、基本的な文庫本サイズで執筆をする際のおすすめサイズや書式設定についてご紹介します。さらに、文庫本セットの印刷に対応したおすすめの印刷所5選もご紹介。多様なオプションも選択可能なので、思い通りの仕上がりになるはずです。
これから小説等の文庫本サイズで執筆を考えている方は必見の内容です。
目次
小説同人誌に最適な文庫本サイズとは?
文庫本サイズとは、「105×148mm」の本のことで、書店などで売られている小説本としてもポピュラーなものです。では、小説の同人誌に最適な文庫本のメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
まずは、文庫本の同人誌のメリットについてです。
小説本だとわかりやすい
文庫本サイズの大きな利点は、一目で小説本だとわかるというところ。小説本で一般的なのは、A5やB6、新書や文庫本サイズですが、A5は漫画本でもよく使われるサイズです。そのため、A5サイズで作成するとたまに漫画本だと勘違いをさせることがあります。
その一方で、文庫本サイズで漫画本を発行するサークルはめったにありません。そのため、すぐに小説本だとわかってもらいやすいですよ。
持ち運びしやすい
続いてのメリットは、購入してくれた方が持ち運びしやすいというところです。同人誌は基本的に薄く、対応するブックカバーもありません。そのため、外出先で読むには適していません。
しかし、文庫本サイズであれば市販のブックカバーを使用できるので、外出先で同人誌を楽しんでもらえやすくなります。
本棚に収納できる
最後のメリットは、本棚に収納できるところです。A5やB6サイズの同人誌は、本棚によってはきれいに収納できないこともあります。文庫本のサイズであれば、どの本棚でも収納でき、普通の書籍のようにきれいに並べられます。
デメリット
では、デメリットについても見ていきましょう。
文字数が多くなる
文庫本サイズでの同人誌の作成は、最低ページ数が他のサイズのものよりも多いことがあります。そのため、書かないといけない文字数が多くなってしまいます。小説本を作成の際には、文字数についても気を付けなければなりません。
割高になる
2つ目のデメリットは、同人誌の単価が他のサイズのものよりも高くなることです。先ほどもお伝えしましたが、文庫本サイズは最低ページ数がほかのサイズよりも多くなることがあります。そのため、単価も高くなりやすくなります。
締め切りが早いことがある
印刷所によっては文庫本サイズを取り扱っている小説セットが、他のプランよりも納期が早い場合があります。また、カバーや帯を作成する場合はさらに締め切りが早まりますので、原稿作成のスケジュールは余裕を持って組みましょう。
文庫本の書式設定
小説本を作成する際には、原稿の書式設定が必要ですよね。それぞれの設定は個人の好みがありますが、まずはおすすめのものを紹介します。今回の書式設定は、Wordを使用した場合のものを紹介しています。
設定に迷った際は、印刷所で公開しているテンプレートを使用するのも1つの方法ですよ。
おすすめの書式設定
おすすめの書式設定は、以下の通りです。
用紙サイズ
- 幅:105mm
- 高さ:148mm
余白
- 上下:13mm~15mm
- 外:10mm~13mm
- 内(とじしろ):13mm~18mm
行数
- 14~17行
字送り
- 8.5~11.5pt
行送り
- 11~14pt
文字数
- 33~42
設定時に気を付けたいこと
上記でおすすめの設定をご紹介しましたが、好みや作品の雰囲気に合わせて、いろいろと変えてみると良いでしょう。しかし、さまざまな設定に変える際に注意したい点についてがあります。
それはとじしろの部分です。とじしろとは本を開いたときに綴じられている部分のことで、ここの余白はしっかりと取っておかなければなりません。余白が少なすぎると内側の部分が読みづらくなってしまいます。
設定した余白部分が心配な場合は、入稿の際に印刷所に相談してみても良いかもしれません。
文庫本セットを取り扱っている印刷所
最後に文庫本のセットを取り扱っている印刷所を5つご紹介します。全て小説本に特化したセットなので、ぜひ検討してみてください。
しまや出版
まず初めに紹介するのは、小説本専用のページがある「しまや出版」です。スタンダードな白黒印刷の表紙のものから、商業誌のようなカバーや帯付きのものなど、幅広い種類のコースがあるのが魅力です。
表紙の作成が苦手な方にぴったりな表紙の作成をオーダーできるオプションもありますよ。
しまや出版
ホープツーワン
「ホープツーワン」では小説本のためのセット、「フライトセット」が用意されています。低価格で注文できるプランや、表紙に箔押し加工できるものなど、仕上げたい同人誌のデザインなどでいろいろ選べます。
公式ツイッターでは実際に作成された同人誌を公開しているので、注文の際の参考に見てみるのをおすすめします。
こちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひチェックしてください。
ホープツーワンの特徴やおすすめポイントをまとめて解説!
スターブックス
小説本の注文に最適な「オンデマンドノベルズ」を用意しているのは「スターブックス」。こちらでは1冊からの注文が可能なので、少数部数の注文におすすめです。また、オプションでカバーを付けられ、さらに印刷所でカバーかけてくれます。
スターブックス
緑陽社
小説専用の「小説本セット」があるのが「緑陽社」です。表紙はベーシックな色上質最厚口は32色、特殊紙は24種と豊富な種類があります。文字が読みやすいクリーム書籍用紙がセットにあるのが嬉しいポイントです。
こちらではPDF入稿が推奨されているので、原稿のファイル形式に注意しましょう。
緑陽社
プリントキング
「プリントキング」では新書・文庫本サイズが選べる「小説本セット」があります。本文用紙はクリーム系の色の3種類があるので、好みの色合いの紙を選べます。カバーや帯の作成も可能なので、商業誌のような仕上がりにしたい方におすすめ。
カバーと帯の取り付けは有料オプションなので、使用の際は注意してください。
プリントキング
まとめ
今回は小説の同人誌におすすめのサイズである「文庫本」を詳しくご紹介しました。ライトノベルのような本格的な装丁は、誰でも一度は憧れますよね。小説の注文をどうすればいいか迷う場合は、小説専用のセットを選ぶと注文しやすいですよ。
文庫本サイズの同人誌は締め切りが早くなってしまうことがあったり、単価が高くなってしまったりとデメリットはありますが、完成した時の感動はひとしおです。ぜひお気に入りの1冊を作成してみてください!
文庫本の同人誌に限らず同人小説の作り方については、こちらの記事でさらに詳しく解説しております。
同人小説の作り方を印刷~製本まで詳しく解説
Wordで同人小説を作りたい方向けにおすすめのWord設定を紹介している記事もございますのでぜひチェックしてみてくださいね。
同人小説をWordで快適に書くための設定を詳しく解説!